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第121話

「つーわけで、俺ら今日からしばらくここにいるから」 「わかった。だが燈人、お前は若頭としてちゃんとすることはしろよ」 「わかってる。···じゃ俺ら部屋戻るわ」 次の日の朝、早速俺は燈人に連れられて桜樹組に来ていた。 目の前には親父さん。 親父さんに事情を説明すると「大丈夫だからな」と頭をワシャワシャ撫でられて安心した。 燈人に連れられて燈人の部屋に連れられそこに荷物をどさっと置く。一度来たことがあるここは懐かしく思えた。 「真守、一応組の奴らにお前を紹介しないといけない」 「あ、うん」 「それが終わったらもう昼だし、飯な」 「わかった」 目にキッと力を入れた燈人は少し深呼吸をしてから俺を連れて部屋を出た。 「静かにしろ」 親父さんがそう言うと賑やかだった大広間はシンと静まり返った。 親父さんが1番の上座。浅羽の親父がいつも座るところに腰を下ろし、若がいつも座るところに燈人がいて、遠慮したのに、その隣に座るように言われ大人しくいうことを聞いた。 「まずは紹介したいやつがいる。燈人」 「ああ。俺の隣にいるこいつ、名前は赤石真守だ。俺と暮らしてたんだが訳あってしばらくこっちで暮らすことになった。よろしくしてやってくれ」 そう言った燈人の隣で頭を下げて「お願いします」と言うと大きな返事が返ってきてビックリした。 「じゃ、飯食うか。いただきます」 親父さんの声の後についてみんなでいただきます。と挨拶をする、その声に圧倒されてまだ箸に手をつけてなかった俺に燈人が「どうした?」と優しい目を向けた。 「い、いや、ビックリしただけ···」 「まあこんな大勢だからな···浅羽もそうじゃねえのか?」 「そうだけど···こんな上の席には座らないし、そもそも俺は家に帰るからみんなでご飯食べる事なんてないしさ」 「慣れだな」 「うん」 みんなからは見えないところで俺に軽く触れた燈人。フッと笑うと燈人も口元を緩めたのが見えた。

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