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第123話

親父さんと話を終えて部屋を出て燈人の部屋に行こうとしたら「おい」と声をかけられてそちら側を向いた。 「お前、若とどういう関係なんだ」 「えっと···?」 厳つい顔した俺より年上だろうお兄さん。 その人の後ろには怖い顔をした人が2人いた。 「ちょっとこっち来いよ」 「俺、燈人に用事があるんだけど」 嘘をついて燈人に用事がある。とでも言えばここから解放されると思った。だけど··· 「テメェ···若の事名前で呼んでんじゃねえぞ···」 「えっ、苦、し···」 胸倉を掴まれたと思えばギリギリと上へ上へ持ち上げられて首が絞まる。堪らず胸倉を掴むその腕をギリギリと掴み離せと睨むとパッと手が離されて、突然酸素が肺に入りゴホゴホと噎せてしまった。 「もう一度聞く。お前は若とどういう関係だ。」 「っ、それをあんたらに話す気は全くないよ。」 そう言ってお兄さん達を睨むと怒ったその人たちが俺の胸倉を掴んで、引き摺られ、どこかに連れて行かれる。 ここで暴れたり殴ったりしたら燈人に迷惑がかかるかもしれない。そう思って大人しくしていたら人気のない組の裏側だろうか、そんな所に連れて来られた。 「気に食わねえんだよ、お前みたいな奴が若の隣に座りやがって···」 「関係ないでしょ」 「うるせえ、黙らせてやるよ」 そう言って2人の手が俺の体を押さえた。 馬鹿みたいに体を殴ってくる男に抵抗する気も、そもそもなく。 「さっさとここを出て行け」 「、はぁ···」 最後に腹に蹴りを入れられてそう言い残しお兄さん達は帰って行った。俺は立ち上がって服の汚れを落とし溜息を吐く。 「わけわかんねえ」 苛立ってそこにあった石を蹴り煙草を吸う。 髪をガシガシかいてそこに座り込むと「真守ー!」という声が組から聞こえてくる。出て行くのが面倒で体も少し痛いし、そこに座ったまま眠ろうと目を閉じた。 「おい!真守ッ!」 「···ん」 「起きろ!」 「ぁあ···?うるせえ···」 目を薄く開けると燈人が眉を寄せて俺を睨んでいた。 「···何」 「お前なんでこんな所にいるんだ」 「うるさいな、いいでしょ別に。組の中自由に回っていいって言ったじゃん」 「確かに言ったが···こんな所で寝るな、風邪ひく」 抱きしめられると自分の体が冷えているのがわかった。異様に燈人が暖かいから。 「帰りたい」 「まだダメだ、理解できてねえだろ」 「···わかった」 小さく息を吐くと燈人と目があってそのままゆっくり近づいてキスをした。 「っ!」 その時に殴られたところを触られて思わず体がビクッとはねた。けど燈人にバレたら面倒だ。と感じただけのふりをして舌を絡める。 「ん、真守、戻るぞ」 「うん」 立ち上がってお尻についた汚れを軽く払って落とす。最後に燈人が小さく微笑んで俺も微笑みを返した。

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