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第130話

さっきのちょっと甘い雰囲気はすぐに消えて、手の話に戻された。 「で、何で折れたんだ」 「言わなきゃ怒る?」 「怒る」 「···············」 やっぱり怒るよねと、頷いてから燈人の目をじっと見た。 「今、調べてることがあるんだ。そのことが全部わかってから燈人に言うよ。そうじゃないと俺が嫌だから」 「ああ?今言えっつってんだよ」 「強要するなら今から全部が終わるまで燈人と離れます。」 「テメェ···」 「本当にダメだってなったら燈人に言うよ。···今はちょっと待って欲しい」 そう真剣に言えば燈人は息を吐いて俺のことを抱きしめた。 「···条件がある」 「何?」 「もう、何があっても怪我するな。自分をもっと大切にしろ。」 「···うーん、頑張る」 「条件って言っただろ。それが出来ないなら···」 「わかったわかった!絶対にもう怪我はしない!」 傷のついた唇を舐めた燈人はそのまま唇をくっつけた。俺が自分自身で傷をつけたことに怒っているのかそのキスは荒々しい。 「っ、は、」 「自分で自分を傷つけるのもやめろ。何か他のことで嫌な事を吐き出せばいい」 「でも、その他のことが見つからないし」 「何してる時が一番落ち着くとかねえの?例えば···」 例えば···と燈人が例を上げる前にピンッと閃いて思い切り燈人を抱きしめた。 「わかったわかった!エッチだ!エッチしてたら気持ちいいし嫌なこと忘れるし、最ッッ高!!」 「お前なぁ···」 「ねえ、いいでしょ?最高じゃん!燈人も気持ちよくなれるでしょ?」 「···まあ、な」 クスクス笑い合う、温かい気持ちになった。

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