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第131話

「お前に詳細送った。あとはそこで確認してくれ。」 そうみっちゃんから電話が来たのは次の日の朝早く。眠そうにあくびをしていたから、もしかしたら夜通しで調べてくれたのかもしれない。 「ありがとう、ごめんね忙しいのに」 「いや、いい。何かあったら言えよ」 「うん」 みっちゃんは優しい。だから俺はそんなみっちゃんが大好きだ。昔も、今も、好きは変わらない。 電話を切ってまだ眠ってる燈人の髪をふわりと触ってからベッドを抜けて、届いてるみっちゃんからのメッセージを確認した。 どうやらやっぱりあいつは桜樹組とは敵対してる組にいる奴らしい。 これがわかったなら燈人に報告しないといけない。気持ちよさそうに眠ってるところを悪いと思いながらユサユサと揺らして起こすとすんなり目を開けて「おはよう···」と囁くように掠れた低い声で言った。 「おはよ。あのさ、話さないといけないことがあるんだけど」 「ん、ちょっと待て」 起き上がり伸びをして俺の方を向いてから「何だ」とスイッチを入れて真剣な目をして聞いてくる。 「まず、俺はここに来てからここの組員3人から暴力を受けてた。」 「···何ですぐに言わなかった」 「それは置いといてさ、それで殴られてる間に不思議に思ったことがあって···その3人のうちの一人の事をみっちゃんに協力してもらって調べてたんだよね」 「ああ」 「そしたらその人、ここと敵対する極道の組員だった」 そう言うと一度瞼を閉じてはぁ···と息を吐きながらゆっくり目を開けた。 「それで言えなかったのか」 「うん、確信持ってなかったからね。それに俺だって極道の幹部だよ。そんなすぐに誰かに頼るなんてしたくないし。」 男にイチモツをケツに突っ込まれてアンアン言ってるけどそれなりにプライドはあるんだ。 「悪かったな。」 「何で謝るのさ!そんなことする前にこいつのことちゃんと見張らないと!」 そう言って写真を見せると目を見開いて俺の手から携帯を取った。 「う、そだろ···こいつが?」 「うん。ちゃんと調べたから間違いないと思う」 俯いた燈人は少しするとハッと顔を上げて立ち上がり俺の腕を掴んで急いで親父さんの部屋に向かう。 「燈人、痛い」 「あ、悪い···」 燈人は酷く動揺している。 そんなんじゃダメでしょ。って肩を1発殴ると眉を寄せた。 「いってぇ···」 「そんなんじゃダメだよ」 比べて悪いけど、うちのとこの若は絶対に、動揺はしたとしても人には見せない。 「悪い。俺がこんなんじゃだめだな」 「ダメだよ。動揺はしても、人にその姿を見せてちゃ燈人はまだまだだよ」 「···悪い」 俺が言えることじゃないってわかってる。 「ごめんね、俺がこんなこと言って」 「いや、お前があってる」 燈人は深呼吸をしてふっと笑った。 「早くこの件を片付ける」 「うん、手伝うよ」 さっき殴ってしまった燈人の肩をさらりと撫でた。

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