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第132話

燈人と親父さんの部屋に行って燈人に話した事と同じ内容の話をすると、燈人と同じで一度ゆっくり目を閉じた。 写真を見せて燈人が「石川」と呼んでたその人をもう少し泳がせようということになって俺たちはこくりと頷く。 親父さんの部屋を出て燈人の部屋に戻ると俺を強い力で抱きしめてはぁ、と息を吐いた。 「燈人?」 「体、痛いか···?」 「ううん、大丈夫。燈人こそ大丈夫?さっきのあいつ、仲良かったの?」 「まあ、羽島とよく話ししてるやつだったから。他のやつより話す時間はあった。」 仲良かったはずなのに。いつの間にか裏切られてるのがこの世界。ハナから仲間じゃないなんてざらにある。 けれどこうして一々燈人が傷つくのは組員は全員家族同然に見ていたからだろう。 「···もう、夜になったよ」 「あ···?」 「夜に、って言ってたでしょ。早くヤろうよ、嫌なことぜーんぶ忘れよ。忘れて気持ち良くなろ」 「まだ飯、食ってないだろ」 「後でいいよ」 燈人にキスする、押し倒されてキスはだんだんと深くなり何かに取り憑かれたみたいに抱き合った。 途中手が痛くて顔を歪めると何度も燈人が謝ってきたから痛くても我慢しようと笑顔を見せる。 「痛くねえか?」 「うん、何も心配しないで」 「真守···」 「大丈夫」 珍しく弱ってる燈人を安心させてあげる術なんて俺は知らない。 だから俺がいつも燈人にしてもらっているように抱きしめて燈人の吐き出す言葉を全て受け止めてあげるしかなかった。 「真守、真守」 「ん、何···?」 「もう朝だ、起きろ」 いつの間にか眠ってしまっていたらしい。 欠伸をしながら起き上がると燈人がふっと笑っていた。 どうやらもう調子はいつも通りらしい。 無理してる様子もないし、よかった。と立ち上がろうとすると腰の痛さに驚いてまたベッドに戻ってしまう。 「腰痛い」 「ああ、昨日はヤり過ぎたかもな」 「かもじゃなくてそうだよ。まあ、いいけど」 クスクスと笑いあった。

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