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第134話
え、弱くない?と思ったことは秘密にしてくくくっと笑うと石川さんは顔を真っ赤に染めた。
「テメェ!」
「もういいかな。君のせいで体痛いし、ちょっと眠たいし昼寝したいんだけど」
急に態度を変えた俺を気持ち悪く思ったのだろうか、後ろに数歩下がってから何処かに消えてった。
「燈人」
「おー、お疲れさま」
実はこっそりと今の様子を見てた燈人、お疲れさまって···どうってことないんだけど。
「あ、みっちゃん?」
「何だ」
「燈人から聞いたかは知らないけど、石川さんのいる組と近々喧嘩するからよろしく」
「何でよろしく?」
「みっちゃんも、俺と燈人の友達ってことで、参加してよ」
「それは俺が決める事じゃねえ。けど、考えとく」
じゃあな、と電話を切ってはぁ、と溜息を吐くと髪をワシャワシャと撫でられた。
「眠いんだろ、部屋行こう」
「んー、じゃあ俺ちょっと寝る」
燈人の手をツツツ、と撫でてふふっと笑うと燈人も優しく微笑みを返してくれた。
「次から何かされたら構わず殴れ」
「わあ!本当!?嬉しい!」
その日の夜、燈人から石川さんの件について話を聞いていたらそう言われて嬉しくて思わず燈人に抱きついた。
「俺さ、我慢してたんだよ!やっとだぁ!明日にでも俺のこと呼び出してくれないかなぁ!」
「あと、必要ならお前の立場を言っちまってもいい。だがそれは浅羽さんにちゃんと確認を取ってからにしろよ」
「わーかってるよ!でも俺最後まで言わないつもりだよ?これは浅羽組じゃなくて、桜樹組の問題だから。」
そう言って微笑むと困ったように顔を歪めた燈人は「そうだな」と小さく呟いた。
「巻き込むわけにはいかねえな」
「まあ、やばいってなったら親父には言うけどね。」
「そうならないようにしねえとな」
「うん、無理はしちゃダメだけどね」
無理をしない程度に一生懸命でいることは簡単に思えてとても難しいけれど、そうしていないと燈人の立場では生きていけないから。
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