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第143話

「は?何それ。意味わかんないんだけど」 「だから、ここは危なくなるから家に帰れって言ってる」 石川さんが目を覚ました日から数日。 燈人に真剣にそう話しをされて理解ができなかった。 「やだ、終わってから一緒に帰る」 「危なくなるっつってんだ、先にお前は一人で···」 「うるさい!!」 大きな声を出して立ち上がった。拳を作り殴りかかりそうになるのを堪えて堪えて唇を噛む。 「何だよ、本当···。ふざけんな」 「何怒ってんだよ」 「怒るに決まってんだろ!···もういい、わかった。帰るよ」 「おいっ」 さっさと自分の荷物を集めてカバンに詰める。 部屋を出ようとすると燈人に腕を掴まれたけどそれを振り払って桜樹組を出た。 家に帰らないといけないけど、燈人と暮らしていたあの家に一人で帰りたくない。だから足を浅羽組の方に向けて殆ど走るみたいに急いで足を動かした。 浅羽組についたのはちょうど昼頃。 幹部室に入って、久しぶりに現れたにもかかわらずソファーにうるさく座った俺にみっちゃんも早河も八田も中尾も目が点になっていた。 「お前何でいるの」 「帰れって言われた」 「は?何で」 「危ないから帰れだってさ!腹立つ!」 みっちゃんに話しかけられて適当に返事をしてると目の前にどさっと紙がたくさん置かれる。上を見たら早河がいて「帰ってきたならこれやれ。」と言いさっさと自分の席に戻って行った。 「やだぁ!みっちゃん助けて!!」 「無理だ。」 「みっちゃんのバカ!早河の鬼!」 「うるせえ」 泣き真似をしてると中尾が「気持ち悪いぞ」とゲームをしながら言ってくる。そんな中尾に「お前もさっさと働け!」と八田ちゃんが大きな声を投げ頭を叩いていた。

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