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第144話
今日からしばらくはここにいさせてもらうことを親父に報告すると「好きなだけいろ」と笑って頷いてくれた。
久々に組員が用意した昼ご飯を食べて、ルンルン気分で廊下を歩いていると目の前に赤髪が現れた。
そいつの手には見たことのある何かが握られていて誰のだったっけ?と頭を捻らせる。
「赤石さんじゃないですかぁ。何だか久しぶりですねぇ」
「うん、久しぶり」
ヘラヘラと笑う鳥居はいつも通り、俺が幹部室に行く後をついて来る。
「何さー、何でついて来んの」
「ついて行ってるんじゃなくて、俺は命さんに用事があるんですー。あ、ついでに早河さんにも」
「それ多分逆でしょ。その手に持ってるやつ···早河のだし。早河に用事があって、ついでにみっちゃんと話したいだけでしょ」
鳥居が持ってた物は早河のだ。あれが何かは知らないけど前に早河が弄っていたのを見たことある。
「あ、バレましたぁ?実は今日ユキくんと約束してたことがあって···」
「何々?気になるんだけど」
「秘密でーす。それもユキくんとの約束ですから」
先を歩いていたのは俺なのに遂には俺を越して前に立ち先々と幹部室に足を進めてる。
···俺が先に幹部室に着くんだ。じゃなきゃ嫌だ!
わけのわからない闘争心を燃やし廊下を全速力で走る。呆気にとられたように見た鳥居も燃えてきたらしく走り出す。
「俺が先だからね!!」
「俺の方が先ですー!だってほらもう追い越せる!」
「は!まだまだだよバーカ」
その後鳥居と二人、早河に走るなうるさい、と長い間怒られたことは言うまでもない。
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