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第145話

足が未だに痺れてる。 早河に正座をさせられ、そのまま長い間怒られた。解放された今もピリピリと足がしびれていて辛い。 「鳥居のせいだ···」 「赤石さんが急に走り出したのがいけないんでしょ!」 鳥居は足の痺れはもうなくなったのかソファーに横になってやがる。フラフラになりながらも自分の席に座って額を机につけその体勢で落ち着いているとコト、と机にマグカップが置かれた。 「コーヒー」 「あ、ありがと」 八田が全員の分を淹れてくれたみたいで全員に配ってからささっと自分の席に座る。 「早く仕事しろ」 「うぃ···」 やりたくないから、うんとも嫌だとも聞こえない、適当な返事をした。早河はそれに「はぁ、」と溜息を吐く。 「明日はちゃんとやるか?」 「やる」 「本当だな?···なら今日はもういいから休め」 「何何何!早河が優しい!」 思わず体を起こして両手で口を覆った。 呆れたように俺を見た早河。なんか雰囲気がすごく燈人に似てるからちょっとイラってするけど別に早河は悪くないし、むしろありがたいから立ち上がって早河に近寄り彼の手を握った。 「ありがと!明日は本当にちゃんとやるから!」 「ああ。」 幹部室を出て仮眠室に行く、置かれてるベッドに飛び乗って見てなかった携帯を開けた。 「···チッ」 そしたら燈人からのメッセージや電話がたくさん来てて、電源を落とし携帯を寝転んだ頭の横に置いた。 「よし、寝よう」 まだ昼だけど、嫌なことを忘れるには寝たほうがいいんだ。···多分。

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