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第149話
登録してない番号からで誰だ?と怪しく思いながらも電話に出た。
「はい」
「真守か?」
「えっと···親父さん?」
電話だから少しいつもとは違うけどそれは聞いたことのある親父さんの声。いつもよりすごく真剣で低い声。
「燈人が攫われた」
「は?」
「携帯を組に置いたままでな。履歴を見たら最後にお前に電話とメールをしてたみたいだから連絡した。」
「···えっと、すみません、電話来てたんですけど···仕事中で···」
それより攫われた?あの燈人が?
「攫ったのはきっと石川のところだ、八原組」
「はあ···」
「とにかくお前が無事か確認したかった。あまり外に出るなよ」
そう言って一方的に電話を切られ何も映さなくなった画面を見つめた。
「ん···」
ゆっくり目を開けた若。だけどそれを見ても何も声をかけられなくて頭が混乱してる。
「赤石?」
燈人が攫われたのはもしかして、俺が電話に出なくて、メッセージにも返信しなかったから?
もし電話に出ていたらこんなことにはならなかったかもしれない。
今頃燈人は何をされてるのだろうか。殴られたり蹴られたり···痛めつけられてるのかもしれない。
「ごめんなさい」
「何が」
「俺のせいだ···」
「赤石」
落ち着け、と腕を強く持たれた。
「何があった」
俺の目をまっすぐと見つめてきた若、なぜかひどく体に力が入った。
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