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第154話

2度響いた発砲音。 「う···ぁ···」 焼けるみたいに痛い。 立ってられなくて地面に膝をつく。燈人が歩けない俺を無理矢理立たせて頑丈なものの後ろに隠れられるようにと運んでくれた。 「は、っ···はっ···」 とめどなく溢れてくる赤い血。 視界はぼんやりとフィルターがかかったみたいだ。 燈人が俺の側から離れて、まだ立っていた俺を撃ってきたであろうそいつを倒しに行く。 撃たれた太ももと下腹。 そこを手で押さえて何とか止血をしないとと思うのに力が入らなくてただ手が真っ赤に染まるだけ。 「真守っ!」 「あ、は、っ、はぁっ」 「しっかりしろ、大丈夫だからな」 相手を倒し帰ってきた燈人は俺のポケットから携帯を取り出して何処かに電話をかけた。それから俺のスーツを脱がせてそれで傷口を圧迫する。 「───ッッ!!」 「痛いよな、ごめんな」 唇を強く噛む。勝手に出てくる涙と血だけが流れていった。燈人の腕を強く掴めば燈人も唇を噛んで溢れ出る涙を零さないように強い目で俺を見てる。 しばらくして大きな音が聞こえて俺たちの周りを桜樹組の組員達が囲む。 抱き上げられた俺は何度も名前を呼ばれて意識を確認される。だんだん瞼は重たくなってきてこれに従ってたら死んでしまうかもしれない、それは怖い。と必死で目を開けた。 「赤石っ!!」 聞こえた声、それは若のもので、全部を終えたらしい若は、守られていたというのもあるけれど、返り血1つすら浴びてない。 さすがだなぁ、と思う反面、俺も若くらいに強かったらな···と少し嫉妬を覚えた。 「帰ろう」 そう言った誰かの言葉に俺は小さく頷いた。

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