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第157話
絶対安静って言われてた三日間は物凄く暇で暇で仕方なかった。
その三日が過ぎてからご飯もたくさん食べて、体を動かさないと!とベッドから降りようとすると予想以上に体が動かなくて落ちてしまいすごく怒られて。
「痛い···っ!」
「それがリハビリだろ」
「無理無理!歩きたくない!」
今日は足を撃たれたからちゃんと歩けるようにって燈人に支えられて部屋の中を歩こうとするけど痛くてすぐ断念した。
ベッドに座り痛みからじわっと溢れてきた涙を燈人が拭う。
「泣くなよ」
「痛いもん」
「···なあ、真面目な話ししていいか」
「何?」
燈人をじっと見ると何かを覚悟したような目をしていた。
「お前、浅羽組をやめて桜樹に来い」
「は?」
「ちなみにこれを提案したのは俺たちじゃなくて浅羽の組長だ。」
ピシリと固まった。何で急にそんな事になるのかわからない。嫌だ、と言おうとしたけど何で親父がそれを提案したのかを考えるとそんな言葉も口から出なくなる。
「考えさせて」
「ああ、ゆっくり考えてくれ」
燈人が俺の額に唇を落とす。それから目尻に、鼻に、唇に。
「愛してる」
「···どうしたの、急に」
「言いたくなっただけだ」
「ふふっ、俺も、燈人を愛してるよ」
少しずつ、変わる。
俺の周りはいつも忙しく動いてる。
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