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第168話

いつの間にか眠ってしまっていたようで、もぞもぞと動いた燈人のおかげで目が覚めた。 少し時間が経っててもうお昼になっていた。 ご飯のことを思い出して起き上がろうとした時、クイッと服を引っ張られる。 「行くな」 「え」 「ここにいろ」 目を開けた燈人がボーッとしたままそう言って手を離してくれない。 「ご飯食べようよ。それに水分も取らないと」 「···わかった」 上半身だけ体を起こしてベッドの隣に置いてたスポーツドリンクを手に取りゴクゴクと飲む。そんな燈人の様子を見てベッドの縁に腰掛ける。 「どこも痛くない?」 「大丈夫」 「熱は···さっきよりましかなぁ···?」 燈人の額に手を当てて確かめるとさっきよりは少しましになってる気がする。 「汗かいた」 「体拭こっか」 「いや···」 ベッドから出ていつも通りに歩き出した燈人。さっきはフラフラだったのに今は全然そんなこともない。 「風呂入る」 「え、それならお湯沸かしてくるから寝てて!」 「俺がやる」 「寝てろ!まだ熱あるんだから!」 燈人の腕をガシッと掴んでベッドに連れて行く。 布団を掛けてちゃんと静かになったのを確認してから、風呂場に行って掃除をしてお湯を沸かすためのボタンをピッと押した。

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