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第171話
夜が来ても眠り続けた燈人、お腹すいて起きてきたら何か作ってあげよう。
「おやすみ」
眠る燈人の横に寝転んで目を閉じた。
***
「う、あ···」
「ん···」
夜中、呻くような声に起こされて燈人の方を向くと眉間に皺を寄せてシーツを強く掴んで魘されていた。
燈人の名前を呼びながらシーツを掴む手に触れるとその手からフッと力が抜けた。
眉間にキスを落とすとそこからも皺はなくなって柔らかい表情になる。
「大丈夫」
魘されるって、燈人は何か嫌な事があるのだろうか。
燈人にすりすりと寄りながらそんなことを考えていた。
燈人は俺の不安に感じていたことを全て取り去ってくれた。だからもし、燈人が不安に思ってる事があるなら今度は俺がそれを取り去ってあげないと。
「大丈夫だよ···」
燈人の髪を撫でてそう呟いた。
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