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第174話
「何でお前そんな顔してんの」
「え、どんな顔」
「この世の終わりみたいな?」
「酷いな!俺の無表情はこの世の終わりなの!?」
テレビを見ながらコーヒーを飲んで寛いでる燈人。コト、っとマグカップを置いた瞬間に燈人に飛びついて膝の上に向かい合うように座った。
「何だよ」
「ちょっと甘えたい気分」
「そうか。でもな、テレビが見えねえ」
顎をぐいっと押されて背中を反らす。体勢をなおして燈人にがっしりと抱きついて顔を肩に置くと、ポンポンと背中を撫でられてフッと力が抜ける。
「とーり」
「ん?」
「ずっと言ってなかったんだけど···俺、すごいいい物持ってるんだあ!」
「あ、そ」
「興味ない?」
「そんなに」
ちょっとくらい興味持ってよ!と小さく舌打ちをすると「嘘嘘、興味ある」とククッと喉で笑って言う。
「見たい?見る?」
「見る」
燈人から一旦離れてテーブルに置いたままの財布を取って中から写真を取り出した。
「ジャッジャーン!」
「···!てっ、め、それ!」
燈人の顔が赤く染まっていく。
俺の手から写真を取ろうとする燈人を避けてその写真を財布にしまい燈人をちらり見ると、何だかむすっとしていていつもは見れない表情···可愛い!!
「···その写真どうしたんだ」
「親父さんがくれたんだー!このピースがちゃんと出来てないところとか最高に可愛いよねって話した!」
「チッ···」
舌打ちをしてソファーに腰を下ろした燈人。耳が赤くなってるのが見えてそんなに恥ずかしいの?とくすくす笑った。
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