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第182話

「さーて、もうお昼だね。ごめんね、お腹減ったでしょ」 「大丈夫だ」 「そう?···まあとりあえずご飯食べて···そうだなぁ。あっ、ねえ!今日って忙しい?」 「いや」 いつもより元気がない燈人。 こんな時は外に出ていつもとは少し違う景色を見た方がいいと思う。 「お出掛けしよ!どこか買い物に行くでもいいし、ドライブでもいいし。行きたいところある?」 「別にねえけど、何か欲しいものでもあんのか?」 「無いよ、でも気分転換したいなって思って!」 そう言うと「じゃあドライブがてら買い物行くか」とフッと笑った燈人に俺も笑みを返して、ついでに頰っぺたにキスを落とした。 「ご飯食べたら準備ね」 「ああ」 作ってくるーってキッチンに行き小さく息を吐く。 秘密事は凄く気になるけど聞いちゃダメ。燈人が話してくれるまで待つんだ!と自分に言い聞かせる。 燈人だって俺が話すまで待ってくれたんだから。そう思いながら冷蔵庫を開けて中にある食材を確認した。 「うん、いけるな」 適当にしたら何かできるな。勘で動いてササっと作ったご飯を持ってリビングに行く。幸せそうに微睡んでる燈人の前のテーブルにご飯を置いて「いただきます」と言うと遅れて「いただきます」と隣で小さく声がした。 ご飯を食べ終わってからもあくびをしてる燈人。 どうやら今日は相当眠いらしい。 「眠たいの?」 「ちょっとだけな」 「やめとく?外行くの。」 「行く」 「あ、そう?じゃあちょっと寝ときなよ」 そう言うとコクリ頷いてソファーに寝転ぶ。 俺は準備をしないと、ってお風呂に入って軽くシャワーを浴びた。

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