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第191話
「羽島くんは明日も仕事あるんじゃないの?」
「あるけど···何でだよ」
「燈人と会うの気まずくない?あ、でもそっか、燈人ほ基本家にいるのか」
鍋焼きうどんを食べ終わって羽島くんと話してるとお風呂が沸いたことを知らせる音楽が鳴る。
「着替え貸してやるから入ってこい」
「ありがと」
まだ殴られたところが痛い、我慢できる程度だけれどそれより痛いのは冷え切ってる心の奥、バレないように笑顔でいたけれど···
正直、俺は燈人にとって里さん以下だった、って知って苦しい。
シャワーを浴びて髪と体を洗ってチャプンと浴槽に浸かる。温かいお湯は体を温めるのに心はそうにもいかなくて。
どうやら昔より弱くなった涙腺のせいで涙が溢れてくる。それは里さんのことでの悲しみではなくて、今隣に燈人がいないことによる寂しさってわかって自分は本当に酷い人間だなぁと再確認した。
「痛い···痛い···っ」
殴られた場所も、吐かれた言葉も、全部全部痛くて小刻みに震える自分の体を小さく抱きしめる。
お風呂から上がったら笑うんだ。絶対絶対、羽島くんの前で変な情けない顔はしないんだ。
言い聞かせて浴槽から出てまたもう一度見シャワーを浴びてから風呂場を出る。体を拭いて、羽島くんが用意してくれた新品のボクサーパンツとスウェットを着てリビングに出た。
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