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第197話
お風呂に男3人一緒に入るって窮屈だ。
髪も体も洗われて湯船に入った頃には眠たくて眠たくて仕方がなかった。眠らないようにって何度も「真守」と声をかけてくる2人。わかってるわかってる、と目を開けるとその度に「可愛いなぁ」とキスをされてこいつらバカなんじゃないの?と思ってしまう。
「上がるよ、のぼせちゃうからね」
架月にそう言われて腕を掴まれる。湯船から出て一度シャワーを浴び体をタオルで拭いて服を着ると、髪をタオルで拭いてからドライヤーまでかけてくれる2人は人の世話をするのが好きなのだろうか。
「なあ太陽、シーツ変えとかないとやばいかな」
「やばいだろ、洗濯機回せ」
「ほーい」
俺たちが行為をしていたベッドのシーツを剥がし洗濯機にかけたり、何やら証拠隠滅するために双子は忙しく動いていたからニヤニヤ笑ってやった。
「しなきゃよかったのに」
「したかったのー」
「真守だって良かったでしょ?」
「うるさいよ」
2人の会話から逃げてソファーに寝転び目を閉じると毛布をかけてくれて···ああ、このままぐっすり眠れそう。
「おやすみ」
「ん···」
優しく髪を撫でるのは誰だ。
太陽か、架月か。わかんないけどその手は温かかった。
「起きろ」
「ん···」
ユサユサ体を揺すられて目を開けると羽島くんがじっと俺を見ていた。それから何故かまた正座をしてる双子が目に映って、ありゃバレたのか?と内心焦る。
「お前いつまで寝てんだ」
「今何時···?」
「昼の3時。飯も食ってねんだろ?こいつらも学校行ってねえし」
「ああ···ごめんごめん、それ俺のせいだから許してあげて」
起き上がると腰に違和感。だけどそれがバレないように取り繕った。
「お前のせいって?」
「寂しいから居てって言ったんだ」
「···そうか」
羽島くんの目は優しくなって太陽と架月の目もキラキラとして「ナイス!」と言われてるような気がした。
「お前ら何もしてないだろうな」
そんな2人を羽島くんは睨んだけど2人とも「してないしてない」とヘラヘラ笑った。
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