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第198話

「てか兄貴帰ってくるの早くない?」 「ああ、今日はちょっとな」 キッチンに入ってく羽島くん、どうやら俺たち全員のご飯を作ってくれるみたい。ってあれ、太陽も架月もご飯食べてなかったの? 「2人ともご飯食べてなかったの?」 「うん。真守が起きたら一緒に食うかーって」 「あ、そうなんだ。ごめんね」 二人の頭を撫でてまたソファーに腰を下ろす。 体が異様に疲れてる、それは朝から行為をしたからなんだけど。 「マッサージしてあげよっか?」 「いらない」 「なんでー?」 「だってなんか変なことしそうなんだもん」 「あらら、嫌われちゃった?」 てへ、と笑う双子に俺も笑い返した。 「嘘、本当に?嫌いになったの?」 「なってないから騒ぐのやめて」 ギャーギャー言いだした双子の口を手で覆って黙らせる。最後までむぐむぐと何かを言おうとする二人に呆れながら「何?」と手を離すと嬉しそうに笑って抱きついてくる。 面倒に思ってると羽島くんが「テメェら離れろ」と低い声で言う。 さっと俺から離れた双子はサッと顔を青くして俺が寝ていた部屋に逃げていった。 「若から連絡きたぞ」 「何て?」 唐突にそう言った羽島くんは苦い顔をしてる。 あまりいいことじゃないのか?と思ってじーっと見てたら「あの···」と話したくなさそうに口を開いた。 「しばらく迎えに来れねえって」 「そう。···じゃあ浅羽にでもお邪魔しとこっかな」 「いけんのかよ」 「いけるよ。親父は俺の家族だし、親父もそう言ってくれたからね」 「···そうか」 早速電話ーと思ったけど手元に携帯がないことに今更気付いて羽島くんを振り返ると「お前の携帯忘れてきちまった」と苦笑を零す。 「いや、いいけど。うん、わかった。もう直接行くよ」 「···ここにいろよ」 「迷惑になるからねぇ」 「そんなこと思わねえって。これは俺の自己満足だ。お前が若の元に帰るまでお前のことを護ってやりたい。こうなってしまった責任は俺にだってある」 「もう、羽島くんは正義感が強いね。何でヤクザなんかになってんのさ、警察や弁護士にでもなればよかったのに。」 「バカにしてんのか」 鋭く俺を睨む羽島くんに両手を上げてお手上げポーズをとるとはぁ、と溜息を吐かれた。 「俺が罪悪感から逃げたいだけだ」 「俺を護ることがそうなるの?」 「何もしないよりかはな」 「ふーん」 別に羽島くんには感謝しかないんだけどなぁ。それでも羽島くん自身がそう思ってるなら仕方ない。 「じゃあ···しばらくよろしくお願い···あ、でも食費とか···」 「そういうのは気にしなくていいから」 「はい···」 頷くと満足したようで「あ、やべ、火点けたままだ」とキッチンに帰って行った。

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