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第200話
「太陽!架月!これなんだ!」
「あー?」
ご飯を食べてしばらくした後、羽島くんが大きな声で双子を呼んだ。太陽はふらふらと羽島くんのところに行って「なに?」と首をかしげてる。
「何でお前らの着替えがここにあるんだよ!早く家に帰れ!今日は帰るって昨日話しただろ!?」
「だって真守いるもん、楽しいしぃ」
「母さんには昨日のことは許してもらったし、わざわざ荷物取りに帰ったんだよ」
1つのキャリーケーツに二人の荷物が入っていて俺もマジかよ···と顔が引きつる。
「俺だって仕事があるんだぞ」
「俺たちも学校あるよ?」
「お願いお願い!いいだろ?可愛い弟のお願いじゃん?」
羽島くんは溜息を吐いてから俺を見る。それは別に俺が決めることじゃないからとりあえず大丈夫だよとサインを送って3人の様子を伺ってると「わかったよ···」と羽島くんが負けて双子ははしゃいで俺のところまで走ってきた。
「よろしくねぇ?」
「人は多い方が楽しいもんねー?」
左右から投げられる言葉にとりあえず頷く。
「今晩の飯も作ってやるけど、そしたら俺仕事出て行くから明日は帰ってこれるかわかんねえ」
「え!?」
俺は焦って羽島くんを見る。「悪い」と眉を下げた羽島くんは何も悪くないんだ!この双子がマズいんだ!!
双子を見るとニヤニヤと笑ってる、その仕事俺はついていけないのかな!?
「俺は!ついていけないの?」
「悪いけど···無理だな」
「そ、んな···」
あからさまに落ち込んでると両サイドから肩を組まれる。
「まあまあ、俺たちがいるからさ、寂しくないよな、な?」
「俺たちと遊ぼう!」
正直言ってそれが嫌なんだけどもね。
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