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第201話
晩御飯を作ると羽島くんは言っていた通りすぐに家を出て行った。残された俺と双子。
ご飯を食べてからとりあえず双子から逃げるように小さくなってると太陽が「風呂行ってくるー」とお風呂に入りに行って架月と二人きりに。
「ねえ真守」
「なに?」
隣に寄ってきた架月は何故かジッと鋭い目で俺を睨む。
そのまま抱きしめられて耳に架月の吐息がかかった。
「俺、あんたのこと嫌い」
「···いいけど、じゃあ何でこういうことするのかなぁ?」
俺の膝の上に座る架月の腰を抱き寄せて逃げられないようにする。背中に手を這わせるとビクッと震えて上半身だけ俺から離してまた睨まれた。
「太陽が···あんたに興味持ってるから。」
「でも架月は架月でしょ?なのに何で合わせようとするの?」
「だって同じことしてた方がいいんでしょ?そうじゃないと誰も俺なんかに興味持ってくれないもん」
「そんなことないと思うけど。」
「そんなことあったからこうしてるの」
俺から少し離れたくせに凭れかかってきて肩に頬を置く。深く息を吐いてそのままでぼーっとしてる架月の背中をポンポンと撫でてあげると「俺らさぁ···」と囁くように小さな声で話し出した。
「親にさえ見分けつけてもらえなくてさ」
「うん」
「兄貴はわかってくれるから、一人でもわかってくれる人がいたらいいやって思ってたんだけど···本当はやっぱり皆にわかってほしいんだよね。そう思うのって我儘かな」
「我儘なんかじゃないよ、それが普通」
「そっかぁ」
ふっと笑った架月、モゾモゾ動き出して体を離すと目があって柔らかく笑った後顔がだんだんと近づいてきた。
「俺、やっぱりあんたのこと嫌い」
「うん」
そう言いながらキスしてくる。
触れるだけだったキスがいつの間にか深く激しくなってこれは年下に負けてたまるか、と俺が攻める側に回ってやる。
そしたら架月の顔がだんだんと赤く、甘くなってきた。
面白いなぁって思ってそのまま押し倒すとトロンとした目を向けて「もっと」と強請ってきた。
「俺のこと嫌いなんでしょ?」
「···嫌い」
「ならもう終わり」
そう言うと泣きそうな顔になって「うそ、嘘っ」てうわ言のように言う。可愛いなぁ、ともう一度キスをしてあげたら嬉しそうに目を細めた。
「あー!!俺を抜いてイチャイチャしてんな!!」
2人で甘い雰囲気を楽しんでるとお風呂上りの太陽が走って来て俺と架月を無理矢理離させた。
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