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第208話 真守side

「赤石」 羽島くんの家に来て数日。 太陽と架月と遊んでいたある日、真剣な顔をした羽島くんが俺をジッと見てくる。 「どうしたの?」 「若が刺されて、今組にいる」 「えっと、何で、刺されたの···?」 「女のところに、話つけに行ったみたいだ」 それを聞いてすごく嬉しくなった反面、本当にそれでよかったのか。と不安が押し寄せてきた。 けど、それより、燈人は無事なのだろうか。 「大丈夫なの?」 「無事だ。···けど、血を流しすぎたみたいで眠ったまま目を覚ましてない」 そうなんだ···と頷いてるとはしゃいでる双子が俺のそばにやってきて背中にドンっと2人分の体重が乗る。 「重たいっ!」 首に回される腕、それがギリギリと締めてくるから慌ててその手を叩いて離させた。 「おい2人とも、今大切な話をしてるんだ」 「でもな、このコミュニケーションも大切なことだぜ?」 太陽がケラケラと笑って言う。羽島くんは呆れたように溜息を吐いてからさっと顔を上げた。 「若のところ、行くか?」 「ううん、行かない。燈人が迎えに来てくれるまで待ってる」 顔だけ振り返ると架月の顔が視野に広がって思わずキスしそうになったけれど、羽島くんがいるんだった、危ない。 「わかった。じゃあ俺はまた組に戻るから、何かあったら連絡してくれ」 「はーい」 「「いってらっしゃーい」」 ニコニコ笑って手を振る双子。羽島くんは優しいから手を振り返して家を出て行った。 それを確認してまた顔だけ振り返ると架月がニコッと笑う。つられて笑ってそのままキスをすると太陽が「あー!!」と大きな声で叫んで俺という架月を離させる。 「架月ばっかじゃん!俺は!!」 「んー···」 ニコニコ笑いながら怒ってる太陽に近づいてキスをすると嬉しそうに口元を緩ませて俺を押し倒してくる。 「もっとー」 「待って、今はだめ」 「何でだよ」 起き上がって唇を尖らせる太陽に触れるだけのキスを一度して立ち上がった。 「最近外出てないから散歩行ってくる」 「俺も行く!」 「えー···寝てようよぉ」 腕に絡みついてきた架月。寝てようよって、二人とも学校に行かないといけないのでは?まあ俺がどうこう言うことじゃないか。 「架月は行かない?太陽と行ってきていい?」 「···俺も行く」 行きたくないなら別にいいのに、急いで用意を始めた二人を見ながらそんなことを思ってると少ししてまた二人分の体重が背中に乗ってきた。 「行こう!準備できた!」 ニコニコ、無邪気な笑顔を見せる2人に手を引かれる。 「散歩に準備なんている?」 「ふふっ」 「何、その笑いは」 「まあまあ、楽しみましょうよ真守くぅん」 ニヤニヤ笑う双子に何も起こりませんように、と祈るしかなかった。

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