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第212話 燈人side

「もう動いていいだろ」 「ダメです。」 このやりとり今日だけで何回してるんだろう。起き上がろうとするだけで起き上がれないようにと肩を押される。あの日刺されてから2日が経っているのに。 「いい加減にしろよお前」 「怪我人は大人しく言うこと聞いててください」 結構な声のでかさでそう言われて、あまりの迫力に「わかったよ」と呟き大人しくベッドに横になる。 「完治したら早く赤石を迎えに行ってやってください」 「···あいつ何してるんだ」 「今は俺の弟たちの面倒見てくれてます」 「へぇ···お前の弟って確か···双子だっけ?」 「はい、赤石に懐いてて···」 確かにあいつは面倒見が良さそうだな。年下の奴らと遊んでる所を想像すると口元が緩む。 「あ、なあ。1つだけいいか」 「何ですか?」 「お前の弟は···真守のことを俺と同じ目で見てねえよな?」 そう聞くと首を小さく傾げて「それはないと···」と曖昧な返事をする。少し不安だがまあいいか。 もしそうであってもあいつは俺のだからな。と変な自信に満たされていた。 「じゃ、俺帰るんで。治るまで動いちゃダメですよ、一応見張り外にいますから」 「チッ」 「出ようとしてたんでしょ。わかりますよ何年若のこと見てきたか···」 「わかったから帰れよ」 部屋から出ようとしてる羽島にヒラヒラと手を振る。頭を下げて出てった羽島を確認してから体を起こしてぐぐっと伸びをした。 「っ、いっ···」 痛みが走って小さく呻く。 仕方ねえ、あいつの言うことを聞いておこう。 大人しく横になって暇だなぁ、と思いながら目を瞑った。

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