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第218話

鍋の用意を終えてリビングのソファーにちょこんと座ってる燈人の隣に腰を下ろす。 「ご飯もう食べる?」 「いや、もうちょっとしてから」 肩が触れてそのまま燈人がもたれてきた。燈人の頭を撫でてボーッとする。つけてあったテレビの音と燈人と俺の呼吸音だけの部屋。長い間沈黙して、気付いたら時間は十分くらい経っていた。 「───真守」 「んー?何?」 「···さっきの話」 「さっき?」 「···里の、いつなら、行ける?」 不安そうに揺れる瞳を見て思わず燈人を抱きしめた。そしたら俺の方がすごく落ち着いちゃって。俺がそうであるように燈人もそうなっててくれたら、なんてこと思いながらふふっと笑う。 「燈人が行きたいって思った時に行こ。1度だけじゃなくて、何回でもさ。」 「何回も、って···」 「1度行ったら最後じゃなくて、これからも。きっとその方が里さんも嬉しいよ」 「···ありがとう」 震えてる声。 珍しく、見つめ合うその目に涙が溜まっている。瞼にキスを落とすとそれが溢れて雫となった。 「···だっせぇなぁ」 「ダサくないよ」 今度は唇にキス落とす。 落ち着いたのか目を閉じてまた俺に体重をかけもたれかかってきた。 「もう大丈夫?」 「···ああ」 「じゃあさ、ご飯食べよ?お腹すいた!」 燈人の手を引いて立たせる。 和かに笑う燈人は掴んでた俺の手をギュッと強く握った。

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