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第219話
「ご馳走様」
「お粗末様です。お風呂沸かしてくるね」
「俺やる」
食べ終わってすくっと立ち上がった燈人はお風呂場に行って浴槽を洗ってくれるらしい。あの作業は面倒だからあんまり好きじゃないけど、綺麗好きの燈人は掃除するのが得意だからそれは任して、俺はご飯の後片付けをすることにした。
食器をカチャカチャ洗ってると「真守」と呼ばれて咄嗟に振り返る。
「っ!びっ、くりした···」
「俺もビビった···」
すぐ後ろに燈人がいて手の中にあった食器をゴト、っと落としてしまう。よかった、割れてない。
「それ終わったらボタン押して」
「わかった」
さっさと洗ってしまおう、と手を動かして濡れた手をタオルで拭いたあとにお風呂を沸かすためのボタンをピッと押した。
「お風呂わいたら一緒に入ろうよ」
リビングのソファーに座ってた燈人に後ろから抱きついてそう言うと「ああ」と小さく笑いながら言ってくれる。そのまま頬っぺにキスすると柔く微笑んで振り返りちゃんと口にキスされた。
「するならこっちにしろよ」
「そうだね」
二人で笑いあって、そんなどうでもいい時間がすごく嬉しくて、幸せに感じて。
「好き、大好き。」
「俺もだよ」
もう一度キスをして、その快感と甘さに頭がクラクラとした。
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