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第220話
風呂に入った後は当たり前のようにそういう雰囲気になって、燈人にまた優しく労わるように抱かれた。今まででも類を見ない優しさだったと思う。
「燈人、今日はガツガツしないんだね」
「いつもみたいの方が好きか?」
「ううん、何でも好き」
情事の後、火照った体を燈人にくっつけて目の前に晒されている首に舌を這わせる。
「擽ってぇ」
「キスマーク、つけてもいい?」
「ああ」
許可をもらったのでそこにキスマークをつける。
綺麗についたのを確認してから顔を上げて燈人を見るとニヤニヤと笑っていて気持ち悪い。
「ニヤニヤしてどうしたの」
「してねえし」
「え、無意識なの?気持ち悪いよ」
「気持ち悪いって何だお前」
抱きつくと背中を撫でられて、そのまま手が腰に落ちていく。
「真守」
「何?」
「お前のこと、好きだよ、愛してる」
「···な、何なの」
「お前は?」
「お、俺だって、好きだし、愛してるよ」
いつも言ってるセリフなのにこういう時は少し恥ずかしくなって燈人の胸に顔を隠した。
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