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第222話

お花も線香も買ってやっと里さんのお墓にやってきた。 未だに微かに手を震わせてる燈人。そっとその手を包むと驚いたように俺を振り返って「悪い」と小さくぎこちない笑顔を返してくる。 「ほら、ちゃんと挨拶しないと」 「ああ」 お花も線香もちゃんとお供えをしてから里さんのお墓の前に座り込んで両手を合わす燈人の横で俺も同じように両手を合わせた。 燈人が何か里さんに話をしてる。 ごめん、とか、ありがとう、とか、いろんな感情が溢れてきてる様で燈人の目から涙が零れて行く。 そうして涙を流す燈人の姿はとても綺麗だった。 *** 「落ち着いた?」 「ああ、悪い」 手で涙を拭った燈人は不器用に笑って「今日、お前とここにこれてよかった」と言った。 「やっと、整理できたから」 「うん」 「···ついてきてくれてありがとな」 「ううん、俺の方こそ里さんに会わせてくれてありがとう」 まだ本調子ではない燈人の隣を歩いて、次は俺が運転する!って車の運転席に乗り込む。 「寝てていいよ」 「寝たら事故しそうだから起きてる」 「失礼だなぁ!俺、これでも運転はうまいんだよ」 シートベルトを締めてさあ行くぞ!と車を発進させた。

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