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第234話

水を飲んでまた眠り出した真守を放っておいて、俺はいつもの日常を開始した。 「はぁ···」 1時間くらいテレビを見て時間を潰していると携帯が震えて画面を見れば真守からの着信。同じ家にいるのに何だよと思って電話に出ると掠れた声で「何処いるの」と聞いてきた。 「リビング」 「ベッド来てよ」 「何かあったのか?」 「寂しい」 本当にそう思っているようで声が若干震えている。さっと立ち上がって寝室に行けば真守は「来たぁ」と言いながらクイクイと手招きをした。 「おはよぉ」 「2回目だぞ」 「わかってるよ···ねえ、こっち来てってば」 手招きを無視していると今度は言葉でこっちに来いと言われ、隣に座れば満足そうに笑って「あー、落ち着く」と俺にスリスリとすり付いてくる。 「寝てたんじゃねえのか。もうましになったのかよ」 「んー、さっきよりは大分ましだよ」 そして何故か真守の手が俺の股間に近付いてきた。遂には服の上からそこに触れて「エッチしたい」と馬鹿なことを言った。 「体調悪いのはどこのどいつだよ」 「はーい、俺でーす」 手を退かせて溜息を吐くと「お願い、昼には復活するからエッチしよう?」とお願いされる。 「あ、燈人はエッチって言い方よりセックスって言い方のがいい?」 「どっちでもいい」 ニヤニヤと笑う真守、そっと手で真守の目を覆う、驚いていたけれど抵抗すること無く目を閉じて俺にされるがままになる。 「なあに?」 「まだもう少し寝てろ、俺もここにいるから」 「わかった」 そして真守に俺が見えない事をいいことに、そっと唇にキスを落とした。

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