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第8話 おかしくなる★
シュウさんは眼鏡を外し、足を組み俺を見下ろしている。
見つめられただけで俺の中心に熱がたまり、下着の中がきつく感じてくる。
「今日はこの間より先の事をしようか、漣君」
その言葉を聞いて俺は思わず大きく息を漏らす。
何をするんだろうか。この間のオナニー以上のことをするんだよな?
「服脱いで?」
言われて俺は、パーカーを脱ぎ、震える指でワイシャツのボタンを外す。
見られながら俺は下着まで脱ぎ、シュウさんを見上げた。
触ってないのにペニスは勃ちあがり先走りが出てきてる。
「見られてるだけで硬くしてるの? 漣君は淫乱なんだね」
「じゃあ中、綺麗にしようか」
中を綺麗に、の意味がわからず呆然としていると風呂場に連れていかれた。
中を綺麗にってそういう意味かよ……!
風呂から出て服を着ることは許されず俺は、裸でベッドの横にペタリと座り込んでいた。
「漣君」
名前を呼ばれて俺は顔を上げる。
シュウさんはベッドに腰掛け、手に何かを持っていた。
あれは……動画で見たディルドだっけ。
黒いペニスの形のそれを持ったシュウさんはにこっと笑って言った。
「四つん這いになって、こっちにお尻を向けて?」
考える前に身体が動き、俺は言われた通り四つん這いになって、尻をシュウさんの方に向ける。
恥ずかしさに顔が熱くなるのを感じる。
けれど期待してるのも事実で、ペニスは相変わらず勃起していた。
「あ……」
穴にとろりとした液体がかかりゆっくりと指が入ってくる。
「ひっ……」
さっき、浣腸やシャワーを突っ込まれたとはいえ異物を挿れられるのに慣れるわけがなく、気持ち悪さが先に立ち腰を引いてしまう。
すると手で腰を掴まれたそして、声がかかる。
「腰は動かさないの」
「あぁ……」
指がぐい、と根本まで入り内壁を押すとそこから甘い痺れがひろがっていく。
なんだよこれ……
「あ……はぁっ……」
「ここが前立腺だよ。気持ちいいでしょ」
「気持ち……い……あ……」
自然と声が漏れ、俺はごくり、と息を飲む。
なんだよこの声……俺の声じゃないみてぇだ。
指が抜かれ、入るたびに中のしこりを押しつぶされて身体中に快楽の波が押し寄せてくる。
「ひ、あ……そこ、だめぇ……」
「何が駄目なの」
「お、かしく、なるからぁ……」
「いいんだよ、おかしくなって。君が乱れるほど僕は嬉しくなるから」
「ひ、あ……あぁ……」
乱れると嬉しいんだ。
俺は自分から腰を振り、もっと快楽を拾おうとした。
指はぐちゅぐちゅと音を立てて出し入れを繰り返し、ローションが足されて中に入ってくる。
「ふ、あ……あぁ……」
「中、柔らかくなってきたね。そろそろ入るかな」
そう呟き、シュウさんは俺の中から指を引き抜いた。
そして、ディルドの先端を穴に押し付けるとゆっくりと中に差し入れてきた。
指よりも太くて長いそれは、前立腺よりも奥へと入り異物感に気持ち悪さを覚える。
びくびくと腰が揺れて俺は大きく息を吐いた。
「あ、はぁ……」
「辛かったら言うんだよ」
優しく告げて、シュウさんはディルドの抜き差しを始めた。
「大、丈夫……んン……」
先端が前立腺を掠めるたびにビリビリとした感覚が腰から這い上がってくる。
もっと……欲しい。
そんな想いが心の中で膨らみ、俺はなんとかシュウさんの方を振り返り、喘ぎつつ言った。
「う……んン……もっと、欲しい……」
すると、息を飲む音が聞こえた気がした。
「もう少し……深く挿れるよ」
そう言われたかと思うとディルドがより深く入り込み俺は背を反らして目を見開いた。
深い……なんだよこれ……
「あ……あ、あぁ……」
もう俺、戻れない。
こんな快楽を知ったらもう……
「初めてじゃあ、後ろでイけないって聞くけど……漣君は大丈夫かもね。ペニスがパンパン」
言いながらシュウさんはぐい、とディルドを押し込むと先走りが溢れる俺のペニスに触れた。
「ふ……あ……」
「それ、抜けないように力入れて」
抜けないように……そう言われると中のディルドを意識してしまう。
中も身体も熱い。
俺……どうかなりそうだ。
頭もぼうっとしてきて……何も考えらんねぇ……
「シュウ、さぁん……頭……変」
「その声で言われるとゾクゾクするね。僕はもっと君が欲しくなる」
余裕のない声で告げ、シュウさんは俺のペニスから手を離すとディルドを激しく動かし始めた。
「ひ、あぁ! それ、ダメ、気持ちいい……あ、あぁ!」
「うん、漣君の腰、動いてるね。君が気持ちいいと僕も嬉しいよ」
「う……んン、イく、イくイく……」
俺の視界が白くなり、身体がびくん、と震え俺は射精した。
腕に力が入らねぇ……
俺は床に顔をつけ、尻を上げた姿勢で荒い息を繰り返した。
頭変だ……
オナニーしたってこんなに気持ちよくないのに、俺、男に尻を弄られて射精して……もっと欲しくてめちゃくちゃにしてほしい、て思ってる。
「漣君」
名前を呼ばれてハッとすると、いつの間にか身体を起こされて、シュウさんに抱きしめられていた。
「大丈夫? トんでたみたいだけど」
心配そうな声で告げ、シュウさんは俺の頭をそっと撫でた。
「トんでた……?」
「うん。すごく色っぽい顔してた」
色っぽい顔……そう言われて恥ずかしさと嬉しさが心の中でせめぎ合う。
俺、どんな顔してんだ今。
さすがにわかんねぇ……
「頑張ったね、漣君」
頭を撫でられ褒められて、もっと欲しいと思う自分がとてもあさましく見えてくる。
どこまで求めていいんだろうか……いや、そもそも俺、求めていいのか……?
「君からもっと欲しい、て言われて嬉しかったよ。君がしてほしいこと、たくさんしてあげたいんだ」
まるで俺の想いを見透かしたように言われて、俺は小さく頷いた。
ていうか、この間も今日も、シュウさんはイってねぇよな……
それは気になるけど、さすがに言いにくい。
俺だったら耐えられねぇぞ。
「慣れないことして疲れたよね。落ち着いたらご飯、食べにいこうか」
「え?」
驚いて目を見開きシュウさんの顔を見る。
すると彼は目を瞬かせたあと言った。
「ご飯一緒に食べる約束だし。外に出るのが辛かったらデリバリー頼もう」
いいや、そういうことが言いたいわけじゃねぇけど……シュウさんは出さなくて大丈夫なのかなんて言えず、俺は黙って頷いた。
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