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11.※公開産卵

促すように、「ヒーヒーフー」を繰り返す黄丹の言葉に合わせて、ゆっくりとながら呼吸を整える。 「お、少し出てきたか!」 「⋯⋯ぁ、ん⋯⋯っ」 そう言って、あろうことか指を入れたらしく、キツイ後ろに黄丹が挿入()れてきた瞬間、力む時とは違う声が出てしまった。 しかし、幸か不幸か、黄丹は目の前のことの方に意識を向けているおかげで聞こえてなかったらしく、藤田は内心安堵しつつ、産むことに集中する。 「んん⋯⋯っ、ふっ、ん⋯⋯っ、は⋯⋯」 「志朗、少しずつ出てきてるぞ! その調子で頑張れ!」 「頑張れ、頑張れ」と半ばふざけた調子で言う黄丹に、これを産んだら真っ先に殴ってやろうと強く心に決めつつ、今はその怒りを腹部に入れる。 と、そんな時だった。 「──でさ、彼女が二股しているのを言ってやったら、『二度としないから見捨てないで』って泣きついてきたんだよ」 「うわっ、マジ? やばぁ!」 わざと騒ぎ立てながら、二人入ってきたようだった。 個室といえども、踏ん張り声、さっきのような嬌声を上げようものなら、変に思われかねない。 「⋯⋯どうした。さっさとラクになりたいだろ。もしかして、外にいるヤツらが気になって産めないのか?」 「⋯⋯ん⋯⋯っ」 「⋯⋯俺に見られている時点で、羞恥心もクソもヘッタクレもないだろ。産めって」 「⋯⋯だっ⋯⋯て⋯⋯──んんッ!?」 急に腹部辺りを強く押され、咄嗟の身構えもできるはずがなく、叫び声にも似た嬌声を上げた。 それを外の二人が気づかないわけがなく、「え、なに?」と動揺の声を上げていた。 「⋯⋯ば、ばか⋯⋯っ、なに、すんの⋯⋯!」 「⋯⋯お前が躊躇しているからだ。真面目な話、さっさと産まないと卵詰まりになるぞ。医者の世話になってもいいんだぜ。⋯⋯そういうプレイだと思われてもな」 「⋯⋯!」

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