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12.※公開産卵

SNSで見たことがある。 いわゆる大人の玩具では飽き足らず、鍵やら懐中電灯、挙げ句、子供向け玩具などを入れた様子のレントゲンが上げられていたのを。 ただそのような報告があるだけで、実名が公開されているわけではないが、この世はデジタルタトゥーと呼ばれるものがあり、どこからか情報が漏れて、実名が公開されない可能性は保証されない。 どちらにせよ、半永久的に恥晒しになるのは避けたい。 黄丹の言う通りだ。個室で誰か入っているだなんて分からないのだから、卵詰まりのリスクを考えたら、産んでしまった方が断然にいい。 「なんかやってんか?」と言う会話を外野に、黄丹の返事代わりに再び力む。 「ひー⋯⋯は⋯⋯ぅ、ふ⋯⋯」 「⋯⋯いい感じで出てきているぞ」 「ふ⋯⋯っ、ん⋯⋯っ」 「⋯⋯あと少し⋯⋯っ」 「⋯⋯は、ぁ⋯⋯ふっ、んっ」 臀部を震わせながらも、強く力んだ瞬間、窮屈さを感じていた後孔に余裕ができた。 痛みがスっと消えたのと同時に、「それよりもさ、次の講義行かねーと」と言う二人が去る足音と、「頑張ったな」と労う声が掛けられた。 「見事な卵を産んだわ」 ほら、見てみと言う黄丹が卵を見せてきた。 初めて産んだ卵は真っ白であったのが、今回産んだのは薄黄色の卵だった。 「こないだのと違う色の卵だよな」 「うん⋯⋯そう、だね⋯⋯」 「しかも、なんか入っているような感じだな。若干重いような⋯⋯」 耳元に近づけて振っている様子を横目で見つつ、ぼんやりとしていた。 じっとりとかいた汗が不愉快だ。家ではないから、シャワーを浴びれないのが鬱陶しい。それに、前よりも疲労感が半端ない。 「志朗。射精してダルいだろうから、俺が履かすのを手伝ってやろうか? いつまでも腹出していたら、冷えるぜ」 「⋯⋯え」 黄丹が言ったことに遅れて理解し、バッと下を見た。 便器の蓋の上にポタポタと、粘っこい液状が付着していた。

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