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「ちなみに他のページは見るなよ」と付け加えて。
そう言われると逆に見たくなる欲に耐えつつ、仕方なしにある程度覚えている言葉を書いてあげて渡した。
「なるほどな〜」
うんうんと頷いるのをどことなく恥ずかしいと感じた藤田は、食べることで誤魔化していた。
「俺ら、高校の頃に知り合ったけど、まだ分からないことがあるなぁ」
「そりゃあ、ほぼ三年ほどじゃまだまだ浅いって」
漬け物に箸を伸ばした時、ノートを片付けた黄丹が「そういえば」と話を切り出した。
「俺らが出会ったのって、移動教室の時だっけ?」
「そうそう。玄一が話しかけてきたんだよね」
高校に入学して数ヶ月経ったある日のこと。
化学の授業を化学室で行なうということが急に変更された。
その前の授業が体育であったから、体操服のままだと言われてしまうため、さっさと着替えないといけなかった。
だが、周りとほぼ同じタイミングで着替え始めるというのに、どうしたって遅くなってしまう。
その時も例に漏れず、誰よりも遅くに着替え終わり、鍵係に無慈悲に教室に閉じ込められそうになるのをギリギリ間に合い、慌てて向かおうとした。
しかし、今度はその場所が分からなかった。
誰かに聞こうにも気軽に聞ける質ではないため、関係のない他の他クラスの人達の波に揉まれていた。
『お前、何してんの?』
不意にかけられた声とともに腕を引っ張られた。
バッと顔を上げると、茶髪気味の男子と目が合った。
こんな人、同じクラスにいたっけ? というよりも同じクラスにいたっけ?
頭の上が疑問符でいっぱいになっていると、その男子が言った。
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