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『お前、同じクラスの藤田だろ? 何で違うクラスのヤツらといるわけ?』 『あ⋯⋯それは⋯⋯』 こっちのことを知っていることに驚きつつ、化学室が分からないと言うと、「なるほどな」と言った。 『ま、俺もわかんねーけど!』 「玄一はちゃんと分かって、僕に気にかけてくれたのかと思ったら、玄一までも分からなくて、あの時は焦ったよ」 「いいじゃん。その辺のヤツに聞けば分かるんだから」 「玄一だからできるんだよ。僕はそんな気軽に聞けないし」 そう、黄丹は友人が多い。 あの後、中学からの友人らしい人に場所を聞いて、チャイムが鳴る中、廊下を全力疾走して、どうにかこうにか間に合った。 こんなことはもうごめんだ。けど、無意識なのか、黄丹は腕を掴んで導いてくれた。 もしかしたら、藤田がまた人の波に揉まれてしまうと思い、そのようなことをしたかもしれない。 気を遣える人なんだなと思った時、気づけば黄丹の姿を目で追う癖がついていた。 「出席番号が近くないからなかなか話す機会がなかったけど、お前がのんびりなやつで良かったよ」 「それって、褒めているつもり?」 「おぉ、褒めてる褒めてる。あと、どんくさいよな」 「それは絶対に褒めてない!」 「これは事実。だってここにご飯粒ついているぞ」 ひょい、と頬についていたご飯粒をこちらに見せつけた。 突然のことに頭が追いつけず、後から頬に触れた箇所がじんわりと熱を帯び、顔全体が火照るのを感じた。 「顔真っ赤。今のできゅんとしたのか?」 「⋯⋯べ、別にしてないし⋯⋯」 「へぇ、そうか」 ご飯粒を食べた黄丹が途端に悪巧みしているような表情になり、顔が強ばった。 その表情のまま、彼はこう続けた。 「だったら直接、体に聞こうか」

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