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27.※産卵
『──志朗、お前、ただ力んでいるとそのうち肛門がやられるぞ』
不意に黄丹の声が聞こえてくる。
なんでこんな時にあいつなことなんか。
『ヒーヒーフー』
「ひ⋯⋯ぃ、うぅ⋯⋯っ」
黄丹の言う通りにしたくはないが、やはりあの方法で力むと、素直に顔を出してくれるようだった。
「ふぅ⋯⋯っ、ふー⋯⋯」
あともうひと息でこの腹痛が治まる。
早まる気持ちを抑えつつ、慎重に圧を加えた。と、その時。
「⋯⋯ッ!!」
ビクビクを体を跳ねさせるのと同時に、ぽこんと吐き出された。
イッちゃった⋯⋯ぁ。
黄丹が言うように、自分は産む行為で興奮を覚えてしまう変態のようだ。
いや、そんなわけが⋯⋯! と余韻に浸ることもなく、己を奮い立たせと思った時、違和感を覚えた。
それはいつもならば治まるはずの腹痛が治まってないことに。
「な、ん⋯⋯で⋯⋯」
何となしに下腹部に触れると、ぽっこりと膨れているのが手に触れた。
血の気が引いた。
これも黄丹の精液の影響なのか。
兎にも角にも出さなくてはと腹の外からも圧をかける。
「はぁ⋯⋯っ、ふ⋯⋯ぅ、ひぃう⋯⋯っ」
さっきよりもスムーズにいっているようで、あっという間に肛門辺りに来ていた。
出入り口付近に来ているのを感じ取り、空いている手で掴もうと卵に触れた。
腸液なのか、卵の表面に付着しているぬめっとしたもののせいで思ったように掴めない。
やはり、力むしか方法はないのかと、少しずつ腹に力を入れる。
「ひぃ⋯⋯ひ⋯⋯っ、ふ⋯⋯あぁ⋯⋯っ!」
一個目の卵より大きかったようだ。
さっきよりも肛門に痛みを感じ、思わず腹圧を弱めてしまい、引っ込んでしまった。
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