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「あ、てかてか、そんなことよりも何か食わないとな。ほれ、勝手に台所を借りて作ったやつ。食べれるか?」
そう言って、先ほど置いた丼を差し出してきた。
ふらつきながらも、どうにか上半身を起こし、丼の中を覗いてみる、が。
「⋯⋯何、これ」
「何って、一応おかゆだぜ。あと、お前が卵好きだから、卵も入れた」
「ああ⋯⋯なるほど⋯⋯」
たしかに言っている通りの卵入りおかゆだ。おかゆとはいえども水の量が多い気はするが、食べれなくはない見た目はしている。
そして、別におかゆに関して文句を言いたいのではない。
黄丹に認定されるほどの卵好きだと思われていることだ。
そう思われるほど玉子焼きを作っていたことを再認識させられるが、問題はそこじゃない。
それは全て、黄丹のためにやってきたことなのだから!
と、喉まで出かかったが、おかゆを口に含んで無理やり押し込んだ。
「あっつ⋯⋯!」
「そりゃあ、そうだろうよ。何急にがっついているんだ。ほら、俺がフーフーしてやろうか?」
「ん⋯⋯」
おずおずとレンゲを渡すと、「素直じゃねーか」と手に取って、一口分掬い、冷ました後、「あーん」と差し出した。
差し出された一口分のおじやを食べると、「美味いか?」と聞かれ、小さく頷く。
「そっかそっか。俺、普段全く料理なんて作んねーからさ、おかゆ作るのも必死だったんだわ」
「だよね。だって、水の量多いし⋯⋯というか、ただご飯に水と卵を混ぜただけの味がするね⋯⋯」
「えっ、マジ?」
レンゲで掬い、食べると、「げ、マジじゃん」と眉を潜めた。
「検索した通りにやったつもりなんだけどな〜。ムズぃ〜」
「普段やらないと、こんなものだよ」
「てかお前、美味いって言ったじゃん。熱のせいで味覚が変になってんのか?」
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