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第61話 神饌:二人の王子③

 寝台の上に四つん這いになって、シェイドは勃ちあがった肉棒に唇を寄せた。  括れを舌先で丁寧に辿り、濡れた唇で亀頭を包み込み、唇で締め付けながら奥へと滑らせる。自らを穿つ凶器に育てるために、太い幹をゆっくりと呑み込んでいく。頭の上から若い押し殺した呻きが聞こえ始めた。  その声を聞きながら、深く、浅く、幹に舌を絡めながら頭を上下に動かす。若々しい屹立は、シェイドの口の中で凶暴な肉の杭へと形を変えていく。音を立てて先端を吸い上げると、先走りの液が溢れてきた。 「シェイド……もう、もちません……ッ」  屹立の根元を指で押さえた王子が根を上げた。まだ色事に慣れていない王子には過ぎた快楽だったようだ。  口元を拭って、受け入れるために身を起こそうとしたシェイドは、異物が後孔を押し拡げる感覚に悲鳴を上げた。硬く太いものが肉の狭道を拡げて潜り込んでくる。  背後からラナダーンの冷淡な声が聞こえた。 「まだです。最初の精は口で受け止めてください。その間にここを浄めてあげますから」 「あ……ッ、あ……ッ!」  中を大きく抉られて、シェイドは身を震わせた。  胡坐をかいたセリムに口淫を施す傍ら、シェイドは高く掲げた尻をラナダーンに責められていた。石を磨いて作られた極太の張り型が、濡れた音を立てながら後孔を出入りしている。書斎でディリウスに注がれた大量の精液を掻き出すためだ。  張り型は異様な形をしていた。不気味なほど膨れ上がった亀頭と、幹の中ほどに並んだ二つの瘤。深く入れられると、亀頭が腹の底を、二つの瘤が屹立の根元を同時に内側から押し拡げて、気を失いそうなほど気持ちいい。獣の生殖器を模したものだと聞かされたことがあった。  奥まで入れられたものがずるりと抜き出されると、辺りに青臭い匂いが立った。ラナダーンが皮肉そうに嗤う。 「新たな夫との初夜に、別の男との姦淫の跡を残してくるとは。好色な貴方らしい」 「ちが、う……ッ」  ぐちゅぐちゅと音を立てて精液を掻き出されて、シェイドは両足を震わせる。  望んでこんなことになったのではない。必死で抵抗したのに、力づくで強姦されたのだ。 「言い訳は結構」  尻を叩く乾いた音が寝室に響いた。二度、三度。 「ヒゥッ!……ぁ、ああ…………あ、ひぃイッ!……」  音高く打たれて竦み上がった尻の中に、息詰まるほど太い道具が捻じ込まれた。意識がそこに向いた途端さらに叩かれて、シェイドは小さく蹲る。下腹に痺れるような官能が広がって、額づくように手の甲に額を押し当てた。  書斎でディリウスに叩かれた尻は、火傷をしたようにひりひりと痛んでいた。平手を受けただけではなく、その後ずっと叩きつけるように後ろから挑まれていたせいだ。きっと一目見てわかるほど赤くなっていただろう。  そこをラナダーンに打擲されて、痛みは炎で炙られるような鮮烈なものに変わった。鼓動に合わせてジンジンと疼き続ける痛みは、異物を呑まされた肉環にまで響いてくる。冷たく重い石の張り型を締め付けて、官能はますます深くなっていく。赤く腫れあがった尻が道具を咥えこんで揺れる姿を、ラナダーンの冷たい目に観察されていると思えばなおさらだ。 「感じたのでしょう。望みもせぬ屈辱と言いながら、こうやって尻を振って悦んでみせたのでしょう」  みっちりと締め付けられる張り型を手で揺らしながら、ラナダーンは白い内股の汚れを掬い取った。 「気をやった跡がここに残っています。それともこれは失禁したとでも言うつもりですか」 「……あッ……は、ぅんんッ……それ、は……ッ」  浴室でラナダーンに見つかったのは、凌辱の跡を洗い流す前だった。  腹の中には大量の精が残され、溢れた白濁が尻にも腿にもこびりついている。それに紛れるように、昇りつめて蜜を垂らした証が内股を光らせていた。  受け入れるつもりがなくとも、犯されれば快楽を得てしまう。  ジハードに、ラナダーンに、荒くれた傭兵たちに……あらゆる男たちに今まで力で捻じ伏せられてきた。苦痛と屈辱に泣き叫びながらも、最後にはいつも犯される悦びに溺れてしまう。尻を振りたくって自ら肛淫を強請り、逞しい牡を呑み込んで法悦に狂った。  自分は確かに好き者なのだろう。尻に男を咥えこんで、中に精を浴びせられるのが何より好きなのだ。 「口がお留守です。不貞を恥じるなら態度でお示しを」 「アゥ、ッ!」  もう一度尻を打たれて総身を震わせたあと、シェイドは這いつくばって王子の怒張を咥え直した。無言のままなりふり構わずに舌を絡め、品のない音を立てて先走りを啜り取る。早くしなければ醜態を晒してしまいそうだ。  石の張り型を中に入れたまま尻を打たれるのが怖い。根元まで入れられると、大きな先端と中ほどの瘤が、ちょうどいいところに当たるのだ。それを締め付けると甘苦しい疼きが腹の底から駆け巡ってくる。  見えぬところから振り下ろされる平手に怯えて竦み、叩かれて異物を締め付けた瞬間、甘い陶酔が下腹に広がる。そのまま気をやってしまいそうになるのだ。 「……あ、ンン……ンンゥ、ウ……ッ……」  大きさを増していく肉茎に涙を浮かべながら、シェイドはそれを深く咥えこんだ。舌に感じる性器の生々しさと雄の匂いが気持ちを高ぶらせていく。  もうすぐこの若い牡に犯される。いや、そのまえに一度口で受け止めねばならない。粘り着く精液を口いっぱいに受け止めて、独特の匂いを十分に味わってから、飲み下さなければならない。情けをかけてもらうのはその後だ。  シェイドは自分の体が揺れているのを感じていた。尻の中を出入りする張り型の動きに合わせて、口の中の肉棒をしゃぶりあげている。奥を突かれれば深く咥えこみ、浅く抜き出されれば亀頭を舐め回して、早くこれで犯してくれと乞うているようなものだ。自らの浅ましさに顔が火を噴きそうになったが、尻を揺らすのを止められない。それどころか凌辱を強請る動きはますます大きくなっていく。吐息は鼻にかかった声になって零れていく。  ラナダーンの責めはいつも巧みで、シェイドはそれに逆らえない。  その気になれば、ラナダーンはシェイドを一晩中でも狂い啼かせることができるし、満足を与えずに寸前で焦らし続けることもできる。  甘く苦しい拷問は、シェイドをラナダーンの従順な性奴隷に変えてしまった。 「先に自分だけ極めるような色狂いなら、それにふさわしい扱いをしますよ」  奴隷を躾ける主人の声は厳しい。  無意識のうちに張り型を奥へ奥へと呑み込みそうになるのを、シェイドは我慢した。  焦らされるのが辛い。このまま好きなように昇りつめてしまいたい。  口の中で大きく育てた肉棒に後ろから挑まれて、若さのまま激しく突き入れられたらどんなに気持ちいいだろう。きっとすぐに果ててしまう。悦びの蜜が後から後から溢れ出て、頭の中が真っ白になるほど逝き続けるに違いない。今すぐそうされたい。  下腹の疼きに気を取られそうになりながら、シェイドは口を離して筋を浮かべた竿を横から啜り上げた。唾液で濡れた口元を男たちに見せつけるために。  男の逸物を口で味わうのにももう慣れた。  拉致された砦で傭兵たちに強要された以外、口での奉仕をシェイドに求めた者はいなかったが、ラナダーンだけは違った。  両手を縛られて跪いた姿で、立ったままのラナダーンに喉を突かれたことが何度あっただろう。寝台の上でラナダーンの顔を跨いで、道具を呑んだ秘部を晒しながら奉仕するよう求められたこともある。乳首に鈴と重しをつけて、四つん這いで頭を前後に揺らされたことも。  拒めば洗礼の秘薬による気も狂いそうな仕置きが待っている。あの棒を入れられたまま、結局は泣きながら口淫する羽目になるのだ。矜持が粉々になるまで責め立てられて、もう二度と逆らいませんと服従を誓わされる。それくらいなら、自分から進んで堕ちていった方がまだましだ。  ほとんど毎夜のようにいきり立った怒張を含まされてきた。今では匂いを嗅いだだけで下腹がジワリと熱くなる。  今夜はどんな責めを加えられるのだろう、朝まで許して貰えぬまま終わりのない法悦に啼かされるのではないか。  考えただけで、馴らされた肉体は怖れと同時に恍惚を思い出して昂り始める。  それに追い打ちをかけるように、ラナダーンが溢れ出る精液を見て侮蔑の声を投げた。 「量が多い。貴方の方からディリウスを誘って搾り取ったのではないですか」 「ンウゥッ……! ち、ちが……ゥッ」  浅いところを張り出した亀頭で抉られて腰が跳ね上がった。違うと言いかけた口にセリムが怒張を押し込んでくる。  ラナダーンは張り型を用いて、中の汚れを掻き出すように出し入れした。抜き出されるたびに生暖かい粘液が内股を伝い落ちたが、ディリウスが残した精液はまだ残っている。どのくらい中に出されたのかはわからないが、一度や二度の放出でなかったのは確かだ。  シェイドから誘ったわけでも、もっとしてくれと強請ったわけでもない。  ――けれど、もうわかっている。ラナダーンにとって必要なのは真実ではない。罰を与えるための口実だ。 「ディリウスにも罰を与えますが、まずは多情な貴方に、ふしだらな真似をすればどうなるかを思い知ってもらいましょう」 「ン――、ンンッ……!?」  コポリと音を立てて石の張り型が抜かれた。  ラナダーンが挑んでくるのかと思ったが、そうではなかった。  先程の張り型よりも遥かに巨大な異物が、肉環を押し拡げて入ってきた。 「……ッ、…………ッ!……」  いけないとわかっていながら思わず身体が前に逃げた。ラナダーンはその腰を元の位置まで引き寄せて、十分に解された蜜壺にも受け入れられぬような、並外れた道具を押し込んでくる。  後ろを振り返ろうとした頭がセリムの手で引き寄せられた。  もう終わりが近いのだろう、小さく跳ねる怒張に上顎の奥を抉られて、胃が捩じれて喉が鳴った。制止の声をあげる隙も無い。  後孔を拡げる異物は小刻みに動きながら、大きさに馴染ませるように浅い場所を出入りしていた。拡張された肉環が限界を超えるほど張り詰めて、ピリピリとした痛みを感じる。今まで使われたこともない、信じがたいほど巨大な道具だ。  だが、ラナダーンはきっと容赦しない。浅い場所で様子を見て耐えられると判断すれば、間違いなくこの拷問具のような張り型を奥まで押し込んでくるはずだ。  涙を溢れさせながら、シェイドは喉いっぱいに押し込まれた肉棒に舌を這わせた。早くセリムを満足させなければ。  巨大な責め具の振動は、すでに下腹の奥で熱を生み始めていた。  これほどの凶器を含まされているというのに、シェイドの肉穴はそれすらも悦びをもって迎え入れようとしている。まるで生まれついての淫婦のように。  ――ラナダーンの言葉は正しいのかもしれない。  深々と肉棒を含みながら、シェイドは体が浮き上がるような感覚を覚えていた。  じわじわと沈み込んでくる巨根に怯えながらも、肉体は快楽の階を駆け上っていく。  ウェルディスの男たちの命を吸って咲く花。  もしもそんなものがあるのだとしたら、その花はきっと甘い蜜と芳しい匂いで獲物を誘い、蔓で絡めとって精気を吸う淫花に違いない。そうでなければ誰も花に命を捧げようとは思わぬだろうから。  頭上で若い呻き声が聞こえた。 「もう出ますッ……陛下! 上王陛下!……ッう、くぅぅ……ッ!」  射精を堪えるために根元を押さえていた指を離して、セリムが両手でシェイドの頭を引き寄せた。腰を突き上げ、亀頭を喉の奥へと潜り込ませて、終わりを迎える。 「……ッ、ウ……!……!」  熱い飛沫が断続的に放たれた。溜め切れなかった分が唇から溢れそうになる。  息もできぬほど奥まで怒張を突き入れられたまま、シェイドは喉を鳴らして粘つく精を飲み下した。もう慣れた味だ。  口の中から抜け出ていく怒張に舌を這わせて清めた時には、震える白い脚の間からも新たな蜜が零れ出していた。 「若い夫を導くのは貴方の役目です」  ラナダーンにそう命じられて、怠い体を起こして屹立を跨ぐ。  吐精したセリムを再び奮い立たせるのは、それほど難しいことではなかった。シェイドを苦しめたのは馬の逸物のような巨大な張り型だ。  優に拳ほどもある責め具が、体内に残されていたディリウスの白濁を纏わせて傍らに置かれている。あんなものが入っていたのかと、ゾッとするような代物だ。  後孔は痺れてジンジンと疼いていた。きっとまだ口を開けたままだ。限界を超えて拡張されたまま何度も昇りつめたせいで、足が震えて力が入らない。なのにラナダーンは寝台に仰臥した王子の怒張を、馬に騎乗する姿で自ら受け入れよと命じた。  逆らう余地はない。抵抗する気力を殺ぐように、濡れた凶器は目に入る場所に置かれたままだ。寝台横の机には、洗礼の秘薬とそれを塗り込めるための硝子の棒も置かれている。ラナダーンの気分次第でいつかはまた使われるだろうが、今はセリムの前でこれ以上の醜態を晒したくなかった。 「シェイド……愛しています」  一度解放を迎えたことで、若い王子にも余裕が生まれたらしい。決心がつかぬように膝立ちで止まったシェイドの脚を、労わるように掌が撫でた。  着やせして見えていたが、剣や馬の鍛錬を怠らぬ若者は、ウェルディの血に恥じぬ見事な肉体を披露した。聳え立つ牡の逞しさもすっかり成熟した大人のものだ。  シェイドは唇を噛んで疼く入り口に切っ先を宛がい、ゆっくりと腰を下ろしていった。 「……ん…………ん……」  十分以上に解された肉壺は、少しの抵抗もなく吸い付くように新たな伴侶を受け入れた。  腰を下ろすと張り出した先端が腹の奥まで到達して、甘美な恍惚が下腹に広がっていく。セリムの牡は大きい。  じんわりと湧き上がってきた快感に、シェイドは熱い吐息を漏らした。  ――ここを満たされるのが好きだ。  男の欲望は正直だ。いくら頭で奮い立とうとしても、義務感だけでは勃たせられない。相手を求める気持ちがなければ、肉の塊は萎えたままだ。  自分を欲して隆々と姿を変えた昂ぶりに、体奥を満たされるのは気持ちいい。  支配され、所有され、繋ぎ留められていると感じる瞬間は、悦びと同時に安心感を与えてくれる。  肉親の情に薄いまま育ったシェイドにとって、精神的な繋がりは肉体の欲求以上に欠かせぬものだ。  圧倒的な力で支配されることを望んでいるのは、本当はシェイドの方なのだろう。 「ジハード……」  抱き寄せられるまま、シェイドは身体を倒して温かい胸に頬を寄せた。心臓の鼓動が聞こえる。  孤独という言葉も知らなかった自分に与えられた、命の音。  親も兄弟も既に亡く、子は初めから持たなかったが、ジハードがシェイドに家族を残してくれた。  もしもこのまま老いもせず、長い時の流れを見守らねばならないのだとしても、この国にはジハードの血を引く子どもたちが居る。命を繋いでいく彼らの存在が、これからもシェイドの拠り所になるだろう。 「シェイド」  背中からもう一つの温もりが覆い被さった。ラナダーンだ。 「私の愛しい人。貴方の上を通り過ぎる大勢の男の一人だとしても、どうか私を忘れないでいて欲しい」  背後から告げられた願いは、ラナダーンが願うにしてはささやかなものだった。  忘れるものか。そう、答えようとしたとき――。 「……ッ!?」  硬く猛ったものが後孔を押し拡げて入ってきた。  もうすでにセリムの牡を呑み込んでいる狭い肉壺に、もう一つの怒張が無理矢理割り入ってくる。逃れようと起こした体は下になったセリムの両腕に拘束された。 「セリムッ」  咎める声にも、下になった王子は胸を喘がせるだけで腕の力は緩まない。ラナダーンが体重をかけて後ろから圧し掛かってくる。 「……ヒィ、ッ……」  逃げ場はない。罪人を串刺しにして引き裂こうとでもいうかのように、残酷な凶器はじわじわと潜り込んでくる。直前まで巨大な張り型で拡げられていた肉環は、拒むこともできずに二本目の怒張を呑み込まされる。  ――こうするために、常軌を逸したあんな張り型を呑まされたのだ。それを知って、シェイドの目に涙が滲んだ。 「……ラナダーンッ……やめて、ッ……そんな、こと…………ッ!」  やめてくれと言ったところで、ラナダーンが手を緩めないことはわかっていた。馬並の張り型を咥えこんで、悦びの蜜を零すところを見られたのだから。 「お好きなだけ叫んでください。悶え苦しみながら堕ちて果てる瞬間が、貴方は一番美しい」 「――――や、ぁあああ……ッ」  弱々しくもがく体を押さえつけ、勢いを失わぬ怒張はますます膨れ上がって肉を穿つ。  より深く受け入れられるよう、ラナダーンはシェイドの膝を曲げさせ、セリムは腰を突き上げた。潤滑剤となったのは、今なお体内に残るディリウスの白濁だ。  囚われの体に肉の杭を打ち込みながら、ラナダーンは残酷に囁く。 「ディリウスの妃が王子が産めば、次は三人で貴方を愛してあげましょう。千年経っても色褪せぬ記憶を刻み付けてみせる。……どんなに忘れようとしても、忘れられぬように」  シェイドは口を開け、声にならぬ叫びを上げた。  身のうちいっぱいに男たちの怒張が埋め込まれている。  我が子のように愛したラナダーンと、孫も同然に思ってきたセリム。――そしていつかはディリウスがここに加わる。  彼らが居なくなった後も、その息子が、孫が、王位に就いた男たちが白桂宮を訪れシェイドを支配する。 「ジハード……!」  懐かしい伴侶の名をシェイドは口にした。死の国から今すぐ迎えに来てくれと、天高く伸ばした手は男たちに捕らえられた。 「もっと名を呼んでください、シェイド」 「私の名も」  シェイドを征服する二人の男が口々に言った。敏感になった肌に口づけを落とし、吸い跡をつけ、歯型を刻み込む。 「……あぁッ……やめて、もうやめて――……ッ」  二本の杭が動き始める。  息もできぬほど太いものが、シェイドの奥深い場所を交互に突き上げた。二人の手が胸元を嬲り、涙流す屹立とその下の小振りな玉をも弄ぶ。  二本の怒張に突かれる奥から、痺れるような恍惚の波が一気に押し寄せてシェイドを叫ばせる。 「……い、くぅ…………ッ……いや、いやぁッ……いっちゃぅうう――ッ……ああああ――ッ」  もう何も考えられない。生も死も余りにも遠い。  あるのはただ、体の中を埋め尽くして絶頂へといざなう、この快楽だけだ。 「――貴方は永遠に私たちのものです」  狂ったように身を捩るシェイドの耳に、運命を告げる声が響いた。

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