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家で1人(黒井 side)
赤坂のことが好き。色んな意味で食べてしまいたいくらい好き。一生抱き続けても飽きないくらい好き。とにかく好きで好きでたまらない。
『赤坂〜!今日も1日お疲れ様!
もう少しで夏休みだね。と言っても補習があるからあんまり休みじゃないけど……。でも、赤坂に会えるのは嬉しい!テスト期間も始まるけど、お互いほどほどに頑張ろうね!
じゃあ、また明日。おやすみ〜!(ハート)』
嬉しさのあまりメッセージを送った。赤坂のことが大好きでしょっちゅう送ってしまう。迷惑かなって思うけど、赤坂はいつも返信してくれる。短い文章でも僕は満たされる。
ベッドに寝転んで僕は喜びを噛み締めた。今日は赤坂を脱がせることに成功した。黄崎くんをおちょくってたせいでパンツは見れなかったけど。黄崎くんって結構可愛いところあるんだね。口では否定しておきながら、赤坂のパンツが見たいって顔に書いてあったよ。
僕も赤坂のパンツ見たかったな。というかその下も見たいし脱がせたい。もちろん赤坂が嫌がることはしないよ?嫌って言われたらそれ以上はやらないし。
でも、今日の赤坂はいつもと少しだけ違った。僕が抱き着いたりキスをしようとすると、びっくりして制止するのがお決まりだ。けど今日は止めたものの体を避けたりはしなかった。あれは、受け入れてくれた……ってことかな……?
ああ、思い出すだけで興奮する。ゆっくりカッターシャツを脱がせると、顔を赤くして僕の手をぎゅっと握っていた。すごく綺麗な体で、指を這わせると今まで聞いたことないくらいの艶のある声を出していた。恥ずかしがりながらも快感を得ているような表情に、僕はそそられた。
その時を回想しながら、僕はズボンの上から自身のものに触れた。赤坂への想いを孕んだそれは、考えられないほどに大きくなっていた。窮屈から解放させようと、ズボンを下げていく。
直接手で握ると、今までで1番じゃないかってくらいの熱を帯びていた。ゆっくりと上下に擦る。快感と赤坂への愛が身体中を駆け巡る。
「赤坂……赤坂ぁ…………っ」
赤坂のことを考えると、胸がいっぱいでめちゃくちゃに愛したくなる。この手で抱き締めて、ひとつになって身体中で赤坂を感じたい。声も表情も温もりも、全部……。
今日の昼休みの出来事を思い出す。赤坂の乳首に触れると、可愛い声で喘いでくれた。僕相手に固く尖らせて……ホントに赤坂って可愛い。大好きだよ。そっと触った時の反応といったら……更衣室なのはわかってたけど、このままセックスに突入したかった。
キスがしたくて唇を近づけると、前までは華麗にかわしてた赤坂が、目を細めて唇を待ち受けているような様子を見せた。もしかして、僕とキスしたいって思ってくれてたのかな……。
「んっ、あっ…………」
先端部分はいやらしいくらいに液体で溢れている。まるで赤坂の中を掻き乱すかのように、僕は手の動きを速めた。
黄崎くんの裸を見て、僕は嫉妬心を抱いてしまった。彼の体は男らしくて引き締まっていて、僕にはないものだった。貧弱な僕は、彼の男性的なシルエットに憧れていた。赤坂が彼に惹かれるんじゃないか……僕には興味がないって言われるんじゃないかと怖かった。
でも、赤坂はそんなこと言わなかった。真剣な眼差しで僕に囁いてくれた。
『俺、修学旅行で黒井と話した時、すげぇ綺麗だなって思った。こんな綺麗なやつが存在するのかって。黒井は女みたいな可愛らしさもあるし、男っぽい力強さもあるし……。何より、俺と対等に話してくれるから、話してて落ち着く。そこが他のやつらにはない、お前だけの魅力だと俺は思う』
嬉しかった。赤坂が僕をそう感じてくれていたこと。僕の魅力だって、そう言ってくれた。たとえお世辞だとしても、無意識の言葉であっても、僕はもっと彼に恋をしてしまった。
そうだ。リオンも大丈夫だよって言ってくれた。僕は自信を持って赤坂のことを愛さなきゃ。
今赤坂がここにいるなら、大好きって叫んでたくさんキスをしたい。痛がらないように、怖い思いをさせないように挿入して、ぎゅーって抱き合いたい。赤坂の気持ちいいところを何度も突いて、奥の奥まで確かめ合って……
そろそろ限界みたいだ。ティッシュを手に取り、先端に被せた。
その時、通知音が耳に入り込んだ。そのままの体勢でスマホを見ると、それはやっぱり愛しい人からのものだった。
『お疲れ。テスト期間だるいな。つか俺に会えるの嬉しいって……文章で書かれると余計恥ずかしいな。でもありがとう。
おやすみ。』
短くて温かいメッセージ。この文章を打つ間は、彼の頭の片隅に僕がいた。それだけで幸せで満たされていく。
「赤坂……!ああっ…………!」
頭が真っ白になり、僕の液体が赤坂への感情と一緒に放出された。息が上がり、この上ない幸せなひと時が僕を優しく包む。
赤坂で射精をするのは何回目だろうか。1人でするのは虚しくもあり、赤坂への想いを再確認できる行為でもあった。
「弓弦……大好きだよ……」
こうしている間は、赤坂とセックスしているような感覚を味わえる。愛しい気持ちが体全体に染み渡っていく。
スマホを握り締め、そっと口付けた。
「凉音〜!お疲れ様なのですよ〜!」
「リオン!」
突如現れた欲望の妖精、リオン。彼は普段は姿を隠しているけど、いつも僕を陰で見守ってくれている。夜は特によく姿を見せてくれる。リオンはベッドの端に静かに腰掛けた。
「凉音の自慰行為はいつ見ても色気があります。その姿を見れば弓弦も何回も射精するはずです!」
「やだぁ、リオンってばそんなに褒めちゃって〜」
僕は体を起こしてリオンの横に座った。彼は僕のあれに被せていたティッシュを取ると、近くのゴミ箱に捨てた。
「あっ、リオン、そんなの僕がするのに……」
「いいんです。凉音、お疲れでしょう?」
「それが、まだもう1回くらいイケそうな気がして……」
「すごい、凉音には賢者タイムが存在しないんですね」
リオンの言う通り、僕は赤坂のことを考えるだけで何度も達することができる。
ふと、隣にいるリオンに対して、僕はある疑問を抱いた。
「そういえば、リオンは1人でこういうのしないの?」
「そうですね。しようと思えばできるのですが、私は貴方の欲望から生まれた妖精です。私の任務は貴方を欲望のまま正しい道に進むようアドバイスし、弓弦との仲を色んな意味で近づけること。それ以外は基本的に何もしなくても生活できるのですよ」
そうなんだ。見えなくてもいつもそばにいてくれて、時々姿を現して僕の話を聞いてくれる。そんな彼だけど、素性が謎だらけだったから聞いてみたんだ。そうだった、彼は僕から生まれてるけど普通の人間ではないんだった。
リオン曰く、ご飯やお風呂も必要ないらしい。でも食べたり湯船に使ったりすることはできるんだって。
「たまにはリオンとお風呂入ったりしてみたいな」
「いいですよ。ただ、私の裸は貴方と全く同じものなんです。ほら、ご覧ください」
そう言うと、彼は立ち上がって白いワンピースをバサッとめくり上げた。目の前には素っ裸のリオンが恥ずかしげもなく堂々とさらけ出している。
「リ、リオン!?下着はいてないの!?」
「ええ。特に必要性はありませんからね。マナー上ワンピースだけは着ていますけど」
しかも顔だけじゃなくて体も似ているというか同じだ。肌の色もあれの形や大きさやその他諸々も。僕と一緒で足の付け根にホクロがあるっていうのも驚きだ。双子というより僕の分身のような存在。だからこそ、僕のことを誰より知ってるんだね。
ワンピースを元に戻すと、リオンは穏やかに笑った。
「弓弦と入浴する予行練習も兼ねて、今から私も同行しましょう!」
「ホント!?じゃあ早速お風呂に行こう!」
こうして僕はリオンと共にお風呂場に向かった。お風呂の中でどうやって赤坂をお風呂に誘うかとか、赤坂の体を洗いながら感じさせるテクニックを2人で研究していた。そんなことをしていたら1時間経ってて、流石にお母さんに心配されてドアをノックされたけど、赤坂のために頑張ってるって伝えたらお母さんも安心して去っていったよ。みんなに愛される赤坂はすごいなって改めて感じた1日だった。
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