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第4話
もうすぐ春休みか…僕と優は休日に会う事はあまりない。学校に行けば帰りまで多くの時間を一緒に過ごすのだけど、この関係は優にとってどんなメリットがあるのだろうか。僕にとっては、いじめられるともなくなり何かに怯えることもなくなったから、とてもありがたい関係で、欲を言えば休日にも少しくらい会えたら良いのにと思う。優に側にいるとドキドキするけど心地よくて優しい気持ちになる。こんな気持ちは初めてだ。
帰り道
「優、もうすぐ春休みだね。休みの日いつも何してるの?」
「んー?ダラダラしてる。ダチに誘われれば会うけど、基本的にTV観てるか寝てるかだな。何で?」
「TVで映画とかも観る?」
「あぁ、てか、映画観ることが多いよ」
「ふぅーん。」
「何?」
「それって僕も一緒に観ていい?」
「え?」
「一緒に観たい。いやさっ、もうすぐ春休みだけど休み明けから本格的に受験勉強しないといけないから、少しでも楽しく過ごしたいなって思って」
「…別にいいけど」
「やったー♪」
「お前休みに会うダチもいねーのかよ」
「僕、高校入学と同時にこっちに引っ越して来たから友達はいないんだ」
「マジかよ…早く言えよ!」
「えー何で怒るんだよー」
「もっと早く一緒に過ごせたじゃん」
「優は智樹くんや他の友達もいるんだから、そんなに怒ることでもないでしょー」
「そーゆー問題じゃねーつーの」
「じゃあ、何?」
「…俺はお前もダチとの付き合いとかあると思って誘わなかったんだよ。本当は学校帰りとか休みの日なんかも…」
「…… 。」
「何だよ」
「優は喧嘩も強いしちょっと俺様だけど、そうやって僕のこと考えてくれるところとか優しいよね。いつも帰りに何か言いたそうにしてるのに結局何も言わないから気のせいだと思ってたけど誘おうとしてくれてたんだ?でもさー、助けてくれた時「こいつは、俺のだから」って言ってくれたんだから、もっと強引にって言うか何て言うか…側にいさせてよ。」
「…だからだよ。」
「え?」
「助けてもらったからとか、あの時の条件があるから俺の側にいるんだろ?それだったら、尚更学校以外では自由にさせてーなって」
「確かにきっかけはそうだったかもしれないけど…じゃあさ、僕たち友達になれる?」
「友達ね…まぁ、とりあえずいいぜ」
「嫌なら別に今のままでも」
「いい。友達な」
「うん!」
友達になってからは、優の家に行って過ごすことが増えた。優も大学に行くことにしたらしく一緒に勉強をしている。
「春休みも明日で終わりだね。ずっと、僕が来てたから智樹くん達と会えなかったんじゃないかって今頃になって気になってたんだけど良かったのかな?」
「フン、本当今更だな。だけど、智樹とは何年会わなくてもダチのまま変わらないから大丈夫だ」
「智樹くんのこと好きなんだね」
「好きとは別だけど特別だ」
「そっか、いいな。そんな風に誰かに特別って言ってもらえるって」
「亮太も特別だ」
「本当?嬉しい//」
「明日は春休み最後だし、勉強も一旦休憩して映画でも観るか」
「いいね。明日はゆっくり過ごそう」
とても幸せな時間だった。
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