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第10話 ちゃんと話そう

次の日から、22時頃に優の家に行って一緒に寝て翌日の13時半頃に帰ってくる。そんな過ごし方をしていたら、やっぱり両親に言われた。昼間働く両親は夜しか顔が見られないのに、お前はどこに行ってるのだ?と。僕の両親は仲が良く二人揃って子供が大好きで、大学進学の際や今回の様に自分たちが子供に会えないと寂しがって大人気ないことを平気で言うのだ。 案の定、両親があまりにも金曜日は家族で過ごしたいと言うので木曜日までしか来られないと伝えた。 優とは、この数日毎日会っていたけど、ずっと気になっていることがある。この前、再会した日にキスやら何やらして以来、優は何もしてこない。やっぱり後悔してるのかな…いつもなら、深く考えない様にしていたけど、ちゃんと話さなきゃ… 「お疲れさま」 「おぅ、待たせたな」 「疲れてるところ悪いんだけどさ、今日、少し真面目な話していい?」 「あぁ。俺も同じ事思ってた」 優がシャワーを浴び、ご飯を食べる間、僕はソファーでゆっくりしながら待つ。優も、あとは寝るだけになったところでソファーに座る。 「で?亮太の話したいことは?」 「いや、なんて言うか…単刀直入に聞くけど、何で何もしてこないの?」 「は?何もって何?もっと手出してこいってこと?笑」 「この前以来何もないじゃん」 「お前…亮太はいいのかよ?」 「何が?」 「この前は、勢いとか流れに任せたとかで…俺とどうなりたいとか考えたのか?」 「考えてるよ。…もう当たって砕けろ精神でやろうって」 「何だよそれ。笑」 「いやいや、今笑うとこれでも何でもないからね」 「ごめんごめん。どう言う意味なの?」 「……んー、とりあえず、今更だけど優、恋人はいるの?」 「恋人いて、こんなことしてたら最低じゃん。もしかして、亮太いんの?」 「いや、僕も恋人がいたら、こんな事しないよ」 「そうだよな」 「僕たちの関係は?これまでと変わらず友達のままなの?」 「亮太はどうしたい?」 「先に聞いてるんだけど」 「…俺は…まだ、どうしたらいいのか考えてる…自分でもどうしたらいいのか分からなくて」 「考えてるって…」 「この前は抑えが効かなくて…ごめん」 「やっぱり、謝るんだ…」 謝られた事で、思考が停止。僕自身も何をどうしたらいいのか分からなくなって、ダメだと分かっていたけれど、その場から逃げ出してしまった。止めようとする優を振り切って部屋から出た。 まただ、、マンションを出てすぐ動けなくなった。心が痛くて、切なくて、、次から次へと溢れる優への想いは涙に変わっていった。人を好きになる痛み…分かってたはずなのに…どうしようもなく優が好きだ。優に抱く感情の全て他の誰にも抱かない。この感情が痛みの原因ならば手放してしまおうか…だけど、分かってる。この数日で好きの気持ちが大きくなった。この気持ちを手放すのはもう無理なのだ。一方的かもしれないが自分の気持ちだけでも伝えようか…きっと、優はあの女の人が忘れられなくて僕とどうなるかを躊躇している。あの人を忘れられないならそのままでもいい。時々こうして会ってくれるだけでいい… 優の部屋へ戻ろうと振り向いた時、突然ぶつかる様に抱きしめられた。 「亮太…来るの遅くなってごめん」 「ううん…戻ろうと思ったんだ」 「あぁ、もう一度ちゃんと話そう?」 「うん…」 優の部屋のソファーに二人で座った。 「今だったら言える気がするから僕が先にはなしていい?」 「あぁ」 「僕、、高校生の頃からずっと優が好きだった。それは大学で離れたけど、今でも変わらない。だけど、優に忘れられない人がいるのなら諦めようとも思ったんだけど、この数日で気持ちが大きくなって…だからたまにでいいから、こうやって会ってくれないかな?」 「何?忘れられない人って」 「あ…実は東京に引っ越す前日に会いたくて来たんだ。女の人と喧嘩してて鍵が開いてたから、ごめん勝手に入った。優…口調はキツかったけど何だか辛そうで本当は好きなのに何かあるのかなって思ったんだ…あの人の事、好きなんだよね?」 「あの時、聞いてたんだ?」 「うん、全部は聞いてないけど…ごめん」 「どうせなら、最後まで聞いて行けば良かったのに…あれは、俺の母親だよ」 「え?若くて綺麗だったからつい…」 「若い時に俺を産んでるから」 「そうなんだ…僕早とちりしちゃったね」 「そうだな 笑」 「今ので僕の気持ちは言ったから、次は優話して」 「……」

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