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第21話

僕も優も希望通りの会社に内定をもらうことができた。 僕は目的がハッキリしていたため就活に取り掛かるのも早かったが、就職を機に東京へ出てくる優は就活も大変だっただろう。だけど、大学に入ってからは高校の時とは違って僕との未来を考えてくれていたらしい…決して本人はそんなこと言わないけど、智樹くんが全て教えてくれた。東京で就職する上で、更に自分に向いている職種に就けるよう、少しでも有利になるよう資格を取ったりセミナーに出たり…バイトをしながら、しかも僕の事も蔑ろにはしない。どれだけの努力を重ねてくれたのだろう。智樹くんに「アイツはスゲーよ」と話を聞いて優への気持ちは大きくなるばかりでどうしょうもなく愛しい気持ちになった。 大学卒業後、東京では僕の家で一緒に暮らすことになった。僕の家は二人の職場の中間地点にある。今まで一人で暮らしていた部屋に二人で暮らすのは狭く感じるため、少し広めの部屋に引っ越す事も考えているが急いで決めずゆっくり探すことにしていた。 「そろそろさー新しい部屋探してみようか?」 「どうした?急に」 「そのうちって言ってたけど、優のソファー置いたら何も置けなくてごちゃごちゃして何か落ち着かないんだよね」 「じゃー、ソファー捨てるか?」 「それは嫌だよ!このソファー気に入ってるし僕にとっては思い入れがあるから…」 「そうなのか?じゃあさ、引っ越しついでにベットも新しくしようか?今のは、シングルだろ?もともとくっついて寝てるから大きさは気にならないけど、もう少し大きいのがいろいろといいだろ?」 「な、///何考えんの?」 「別に。亮太こそ今何考えた?」 「///別に…」 「あ、そ。てか、俺はごちゃごちゃしてようが狭い方が亮太にすぐ手が届いて気に入ってるんだけどな」 「その割には、思い入れがあるソファーを簡単に捨てるとか言うじゃん!」 「はいはい。悪かったよ。悪かったから、ギュウさせて」 「自分がギュウしたいだけでしょ!!」 「亮太はギュウしたくないの?」 「そりゃーしたくないわけではないけど…」 尻窄みになってもギュウはしたいのだ。こんなやり取りをしながら仲良く楽しく暮らしてる。 そうは言っても、やはり狭いものは狭いのだ、新しい新居は2LDKの部屋に決まった。一つは寝室一つは仕事部屋だ。もちろん、ベットはダブルになり、あのソファーもある。 問題は家族への報告だ、、なぜ、大きい部屋に引っ越したのか?恋人ができたんじゃないか?などとしつこい。何とか友達とルームシェアしてるでまとまった。 二人とも新社会人という怒涛の日々を過ごしていた。ゴールデンウィークは引っ越しやらで実家には帰らず、お盆休みは久しぶりにゆっくりできる連休のため、優と二人で家でのんびり過ごすことに決めていた。家族はあーだこーだ言っていたが頑なに二人で過ごすことを優先した。 だけど… もし、、もしも、実家に帰っていたらこんな風にはならなかったのかな…

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