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第22話
明日から盆休み、二人で暮らすようになって全く触れ合わないわけではないが、お互いを思うとどちらかが我慢する事もあった。だけど、明日からは二人揃って連休だ。抱きしめられながら寝るのは心地良くて、それだけでも満足してはいるが、その日は溜まりに溜まったものを爆発させるように身体を重ねた。
「優…激しすぎるよ、、はぁはぁ」
「はぁ、、ごめん…」
「でも、、幸せ」
「そうだな」
「ねぇ、明日なにする?」
「んーとりあえず寝て起きて亮太抱いて寝て起きて亮太抱く。」
「いや、、せめて何か食べようよ…」
二人で笑う。
久しぶりの性交は夜遅くまで続いて二人は眠った。
次の日、まだ寝ている二人の部屋のインターホンがなった。
「誰だよ、こんな時間に」
優は服を着ながらドアを開ける。そこには、どことなく見覚えのある…亮太?、、じゃない!
「誰だよ」
「兄はいますか?」
「兄?」
「亮太の弟の颯太です。ここって兄の家ですよね?」
「亮太?」
⁈
急いで寝室に戻って亮太を起こす。寝ぼけている亮太は裸のまま優に抱きつき甘える
「ゆーう、誰だったのー?」
「おい!起きて服を着ろ!」
「んー?どうしたの?」
「弟だ弟!」
「弟?」
「亮兄」
「!!!!」
後ろから声がした途端、優が明らかに動揺したのが分かった。亮兄?
「んー……!!」
苦笑いの優越しにドアの方を見ると弟の颯太がいた。
「颯!?なんで!?」
「亮兄が帰ってこないから俺が遊びに来た」
「何で連絡なしで来るんだよ!?」
「連絡したらダメだって言うじゃん」
「お父さん達には言ってきたのか!?」
「当然」
そんな話をしながら慌てて脱ぎ散らかした洋服を着ていく。
「……」
「……」
「で?ルームシェアしてる人ってこの人?」
「あ、あぁ、赤城優さんだ」
「ふーん。で、何で裸だったの?」
「あ、いや、そ、それは、暑かったから!」
「へー。とりあえずお腹すいちゃったな」
「何か食べに行くか?てか、いつまでいるんだよ!」
「明日の夜の新幹線で帰るよ。それまでよろしくー。てか、亮兄のベットでかいね」
「今までシングルだったからちょっと大きいのにしたんだ」
「へー。じゃあ、一緒に寝れるよね?」
「え?颯、ホテルとかとってないの?」
「そうそう。最初っから泊めてもらう気満々」
黙って聞いてる優の口元がピクピクしてる。うわー絶対怒ってる…そこからぎこちない会話を何となくして颯太は買い物に行きたいと1人って行ってしまった。
僕と優は無言で家に帰ってきて、しばらくの間無言だった。
「亮太…どうすんの?」
「…どうしようかな、、家族にはいつか言おうと思ってるんだけど、、」
「家族に伝えるのか?」
「うん、そのつもりだよ」
「反対されたら?」
「その時考えるよ」
「…そうか、俺は今日はネカフェにでも行くよ」
「いや、優もいて。颯には今日帰ってきたら伝えるよ。颯は多分、既に勘づいていると思う」
帰ってきた颯太に二人のこれまでの経緯を話した。案の定、さほど颯太は驚かなかった。
「亮兄、ゲイだったの?」
「いや、ゲイかどうかは分からない…優が初めて好きになった人だから」
「ふーん、そうなんだ。てか、大丈夫なの?それ」
「何が?」
「元々、女もイケた人でしょ?その人」
「あーまぁな…」
「亮兄捨てられたりしねーの?」
そこまで黙って聞いていた優が口を開く。
「おい、黙って聞いてりゃー…」
慌てて亮太に止められる。
「それは、大丈夫。」
「何で大丈夫だなんて言えんの?」
「…それは…」
「まぁいいけど。亮兄傷つけたら許さないけどね」
「いや、だから大丈夫だって」
「てか、俺もゲイだから」
「!?!?」
驚きのあまり何も言葉が出ない。何を話して何をしたのか、、あっという間に颯太は帰って行った。
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