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第28話
お父さんと優、僕は男のくせにと言われそうな程に泣いたそして颯太もウルウルしてた。
母「はいはいはいはい。泣くのはもうお終い。亮さん夢は良かったの?もう叶わないわよ?」
父「そうなんだよ〜瞳ちゃん〜あまりにも優ちゃんが真剣だから…はぁー」
僕「いやいや、ため息はおかしいでしょ!優が気にしちゃうから!」
チラッと優を見るとやっぱり何かしてしまったのかとあたふたしている。それを見て爆笑する颯太。
僕「おい、颯!笑いすぎだから!」
颯「だって、一度は『お前に亮太はやらん!』って追い返すって息巻いてたのに、真剣に話すし、しかも泣いてるし、んでもって優ちゃんあたふた…笑うっしょ!」
僕「颯!」
優「亮太…どう言うこと?」
実は、もう既に優のことは伝えていてウェルカムだったけど一度は『娘はやらん!』的な事をと言いたかったお父さんの夢を叶えるために敢えて言わなかったことを告げた。だけど、優の真剣さに真剣に返してしまい、もう夢が叶わないとお母さんに慰められているのだと言うと、優はほっとしたように笑い耳元で
「後でお仕置きな」
「優///!」
母「はいはいはい!そこも!イチャイチャは後で!今日は泊まってくの?帰るの?」
父「明日休みなら泊まりなよー、優ちゃん話そうよー」
優「え、あ、は、はい…」
僕「優、いいの?」
優「あぁ、亮太もゆっくりしたいだろ?俺もお父さんたちともっと話したいし…」
僕「ありがとう///」
母「良かったー本当はね、ご馳走用意してるのよ!帰るって言われたらどうしようかと思ったわー」
いろんな話をした。とても楽しい時間だった。両親は二人とも本当に偏見がなく僕たちが幸せなら一人でも何でもいいらしい、でも出きれば誰かと一緒にいる方が人生が豊かになるのではないか、と。それから楽しい事も辛い事も二倍になるけれど、辛いことがあった時乗り越える力や勇気も二倍になる…この両親の子に生まれて良かったと本当に思う。
泣けてしょうがなかった。
と思いきや、急カーブで颯の話になった。
父「颯ちゃんの彼氏はどんな人なの?年上で可愛いい人って言ってたよね?今度連れておいでよ。またみんなで食事でもしながらさ…」
颯「あーあれ嘘。亮兄がウジウジしてたから勢いで言っただけ。まぁ、マッチングアプリで知り合って、前に東京行った時会って、その時から今も連絡は取ってるよ」
僕「あの時、会ってたのか!?」
颯「そう。で、今はその人に片想い中。なかなか落ちてくんないんだよな…」
母「まぁー頑張りなさい!」
颯「言われなくてもそのつもり」
何で兄弟なのにこんなに違うのか…何でこいつはこんなに勝気なんだ……
母「お風呂沸かしたからどんどん入ってー」
父「優ちゃん!今日は疲れただろ?先に入ってゆっくりするといいよ」
優「いえ、僕は後で…」
父「遠慮しないのー家族なんだから。ね?」
優「では、先に…ありがとうございます」
両親からの愛情をあまり知らない優はあたふたしながらもどこか照れくさそうで…でも嬉しそうに笑顔を見せてくれていたから、僕も嬉しくなって笑った。
お風呂に入ろうと脱衣所でお風呂の説明などをしている時、優は既に脱ぎ始めていた。上の服を脱いで下を脱ごうとした時、ノックもせずに颯太が入ってきた。優の背中の火傷を見て一瞬固まった…
颯「うわーそれ火傷?どうしたの?痛そうだね」
優「小さい頃にちょっとな…」
颯「へー大人の身体でそんな大きい火傷なのに小さい身体で、よく生きてたねー」
見られたくない火傷を見られてしまったことに優より慌てて焦って、どうしようとあたふたしてる時に、颯の言葉に怒りが湧いた
颯「でも良かったじゃん」
僕「颯、お前!…?」
同時だった。良かったじゃん。?今、よく生きてたねって言ったよな?こいつは何を言ってんだ?
颯「生きててくれて。亮兄、優ちゃんに会えなかったかもしれないんだぜ?優ちゃんの生命力に感謝しなきゃだな、あ、これ亮兄のより大きいからこっちの方がゆっくりできるっしょ?」
それだけ言って着替えを貸してくれた。
確かに!確かに颯は僕より身体は大きいし、そのくせ大きめを着るから、優にはいいかもしれないけど!!あの言いようは何だ!?と怒り心頭で優を見るとなぜか笑ってる。
「やっぱ、あの両親の子だわ」
「優、ごめん。颯、あんな言い方。」
「全然気にしてない。嫌なこと何一つ言われてないだろ?」
「そうかもしれないけど…」
「あいつも優しいな。お前と同じで。俺あいつ好きだわ」
「!?は?僕はあいつより優しいし、あいつより優のこと愛してるって自負してんだけど!」
「笑 分かってるって。ありがとな。俺の生命力に感謝しろよ?笑」
チュッ
子供をあやすように頭を撫でてキスをしてお風呂に入ってしまった…まぁ、優が嫌な思いしなかったなら良かった。
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