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新しい出会い 2

「っ……! いだっ、ひぃっ、す、すんません! な、何でもないれふ……っ」 圧が怖かったのか、情けない声を上げながらサァっと血の気が引いて顔色を悪くする。それを見届けてからパッと手を離せば、そいつは勢いよく尻餅をついた。 「言葉には気を付けろよ? 騒ぐだけしか脳のない猿が」 吐き捨てるようにそう言って冷酷な目で見下ろすと、男子生徒の口からヒィッと情けない声が洩れ逃げるように自分の席へと戻って行った。 「やべ、今サルって言った?」 「アイツ、ヤバくね?」 ――しまった。つい、カッとなってやってしまった。  ハッと気づいた時には先ほどまで騒がしかった教室内は水を打ったように静まり返っており、教頭を含めた全員の視線が自分に注がれている。 そんなヒソヒソ声が飛び交う中、怜旺はぐるりと教室内を見回した。 明峰高校の電子工学科と言えば、高校で電子工学を学べる珍しい学科であり、生徒数は全部で20人前後。マイコン制御やロボットの基礎が学べるという事もあり、ロボット好きのオタクが多いのかと思いきや、そのほとんどが不良と呼ばれる類の連中で、授業態度も真面目とは程遠い。 特に今年の2年F組は態度が悪いと事前に説明は受けていたのだが。ちょっと圧を掛けた位で静かになるのだから、たかが知れている。 「……あー、とにかく。お前らはもう高校生なんだから、もう少し大人らしくしろ。わかったな?」 怜旺は誤魔化すように咳払いをすると、静かになった教室をもう一度見渡した。

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