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新しい出会い 6

「どうですか? 生徒達の様子は?」 一限目終了後、職員室に戻った玲旺の元へとやってきた教頭が薄い眼鏡の向こうの細い目を見開きながら問いかけてくる。 「まぁ、思ったよりは大人しくしてくれてるみたいですけど……。約一名骨のある奴が居ますね。あの椎堂とか言う男を何とかすれば、後はそんなにビビる必要もなさそうですが」 きっと前任の担任はクソ真面目な奴だったのだろう。じゃ無ければあの程度の生徒達相手に精神を病むなんて事にはなっていないはずだ。 問題児ばかりを集めたクラスだと聞いていたから、どんな酷い状態なのかとワクワクしていたのに、蓋を開けてみれば案外普通というか、ちょっとやんちゃしているだけの普通の高校生達である。 授業態度が悪いのは問題だが、それも慣れてしまえば何てことはない。 「……椎堂だけじゃないですよ。あのクラスには厄介者が多すぎるんです」 教頭は深いため息をつき、疲れ切ったように肩を落とした。 「そうには見えませんがね。……まぁ、僕が来たからには好きにはさせませんよ」 自信満々に告げると、教頭は一瞬ポカンとした表情を見せたが、すぐに諦めたようにバーコードのような頭を掻いた。 「獅子谷先生がそこまで言うならもう私は何も言いません。ただ、くれぐれも暴力沙汰だけは……」 「大丈夫ですよ。暴力なんか振るうわけ無いじゃないですか。僕、こうみえても平和主義者なので」 「……はぁ。そうですか……」 胡散臭そうな目で見つめてくる教頭はこれ以上何を言っても無駄だと思ったのか、やや大き目の溜息を吐いた。 「あぁ、そうそう。うちの若手達が獅子谷先生の歓迎会をしようって騒いでるんですが、今夜空いてます?」 「えっ、今夜……ですか? えぇっと……今夜はちょっと野暮用が……」 突然の提案に怜旺は戸惑いつつも言葉を濁した。

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