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知られたくない 6

「へぇ? そんなこと言って良いのか?別に今ここで学校に電話してアンタがデリヘルやってるって匿名を装って電話してやってもいいんだぜ? あぁ、それともネットに晒されたいか? ネットの怖さはアンタも知ってるだろ?拡散されちまったら、もう終わりだ。この学校には居られなくなるかもな?」 小馬鹿にしたような態度と口調に、一瞬怒りに我を忘れそうになった。 今目の前のコイツを力で捩じ伏せたとしても、動画がある限り自分は目の前のコイツには逆らえない。そして、コイツはそれをネタに自分を脅し続けるだろう。 「っ……」 自分の置かれた状況を思い出して奥歯を噛み締める。弱みを握られた以上結局はコイツに従うしか無いのだ。 「で? どうするんだ?」 入り口のドアに手を掛け、わざと退路を塞いだままの体勢で、圭斗は楽しげに怜旺の答えを待つ。 どうするも何も、自分に拒否権などあるわけがないのに。 「……チッ、調子乗ってんじゃねぇぞ。クソガキが……」 腹の奥底から出た低い声にほんの一瞬、圭斗がたじろいだ。だがすぐにそれは悪魔のような笑みに変わる。 怜旺は無言のまま乱暴に服を脱ぎ捨てると、勢いよくシャツを頭から被った。 梅雨特有の湿った空気が肌に纏わりついて気持ちが悪い。 「……これで満足か?」 怜旺は鋭い眼光で圭斗を睨み付けながら、不機嫌そうに言った。その表情は羞恥と屈辱と怒りが綯交ぜになって歪んでいる。 「下も脱げよ。そんで、そこの跳び箱の上に座れ。ちゃんと股開いてな」 「くッ……変態か。てめぇは!!」 平然と告げられた言葉に、怜旺はこぶしを握り締める。冗談じゃない。何故自分がそんな安いAV女優のような真似をしなくてはならないのか。 ただでさえ目の前のコイツに今の姿を見られているというだけでも不快なのに、これ以上余計な辱めを受けるのはごめんだった。

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