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知られたくない 8

「その目、その顔……。今からその綺麗なツラが快感でぐちゃぐちゃに歪むと思うと、堪んねぇな」 うっとりと目を細め、ゆっくりとした動きで圭斗の長い指先が怜旺の身体のラインをなぞった。 圭斗が付けている香水の香りが降り注ぐように落ちて来て、その甘さに頭がクラリとする。 近くで見ると、物凄く顔が整っている事に気が付かされる。スッと通った鼻筋や、長いまつ毛に覆われた切れ長の瞳。綺麗で整っているのに、どこか野性味を感じさせる顔立ちは同じ男でも思わず見惚れてしまうほどだ。……コイツは本当に高校生なのか? こんな大人っぽい顔をした奴を今まで見たことがない。 男の匂い、と言うか色気のようなものが強くて、思わずゴクリと唾を飲み込んだ。 「……っ、ふざけるな! どけ! 殺すぞ!!」 「へぇ? この状況でよく強気になれんな。でもまぁ、アンタのそういうところ嫌いじゃないぜ? 屈服させて啼かせたくなる」 圭斗の唇の端がくいっと引き上げられ、酷薄そうな笑みを作った。 「―――っ!?」 圭斗の手がゆっくりとした動きで、肩から脇腹を辿り腰に触れた。舐めるような視線と触れる手つきの厭らしさに耐えきれず、思わず身震いすると、咎めるように胸の突起を摘ままれる。 「っ、く……ッ触んなッ!」 「ここ、感じるんだ?……へぇ」 圭斗の声が微かに熱を帯びるのがわかった。面白そうに口角を上げると、今度は執拗にその部分を責め始めた。 「ハハッ透け透けのシャツからエロイ乳首が浮いて見えてんぞ。ほら触って欲しくて勃ってんじゃん」 「っ……! ち、違っ!……っ! ぅ……ぁ……っ」 親指と人差し指で摘まんだかと思えば、押し潰すようにして捏ねる。もう片方の乳首は爪先でカリカリ引っ掛かれて、どうしようもなくビクビクと体が跳ねた。

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