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知られたくない 9
「さっきまでの威勢はどうした? 結構感じやすいんだな」
圭斗の声が微かに熱を帯びた。彼は怜旺の耳元に顔を寄せたかと思えば、舌を差し入れてぴちゃりと水音を立てる。
頭を振って逃れようとするも、押さえつけられて思う存分熱く濡れた舌で耳の中を嬲られる。
クチュクチュと耳の中で響く音が鼓膜を犯し、耳から腰まで駆け下りる強烈な痺れに堪らず腰が浮いた。
「んんッ! ふ、ぁっ!……っは、んん……っ!!」
怜旺は必死に声を抑えようと歯を食い縛るも、堪えきれないくぐもった喘ぎが洩れる。
「……アンタ、感度良すぎだろ。声、全然抑えきれてねぇし」
「……るさい。黙ってろ……っ!」
揶揄するような圭斗の言葉にカッとなって睨み付けるが、涙に潤んだ目では逆効果にしかならなかったようで、圭斗の目が細められた。瞳に映る熱を帯びた視線が濃度を増し舐めるようなそれに変わっていく。
「ほんっと男好きのするいやらしい身体しやがって……。 こんなに敏感な身体してたら普通の生活送れないだろ」
「っ、うるせぇっつってんだろ!! てめぇには関係無ぇ!」
羞恥心に耐え切れず無我夢中で彼を突っ撥ね、唯一自由に動く足をバタつかせた。踵がその辺に置いてある跳び箱に当たる。
圭斗は小さく息を吐くと、怜旺の両足の間に自分の膝を割り込ませ、そのままグッと体重をかけて来た。
「アンタさ、今の状況わかってんの?」
「ッ……」
「このままだと、アンタの恥ずかしい動画、ネットに晒されることになるけど? 俺とアンタじゃ失うものが大きいのはどっちか。わからないアンタじゃねぇだろ」
冷酷な圭斗の言葉に怜旺は動きを止め、苦虫を噛み潰したかのような表情で悔しげに圭斗を睨み付けた。
「クソッ……ッ」
「……アンタ、ホントに煽るの上手いな。此処、こんなに腫らしてちゃ説得力なんてねぇけど」
グリッと膝で股間を押され、怜旺は堪らず声にならない悲鳴を上げた。先程からの愛撫でそこはすっかり形を変えてしまっているのだ。そんなことは言われなくても自分でもよくわかる。だがそれを指摘されることほど屈辱的なことはない。
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