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謎 11
「……気に入らねぇな」
「は?」
「友達を取られた腹いせか何だか知らねぇが、そんなくだらない理由で他人を巻き込んでるんじゃねぇよ。やることが姑息すぎるんだよテメェ」
髪を掴んだまま亮雅の顔を覗き込み、怜旺は冷ややかに嘲笑った。
「タイマンならいくらでも買ってやる。椎堂の気を引きたいなら正々堂々と勝負しろよ。ガキみてぇなことして自己満もいいとこだろうが。 馬鹿じゃねぇの。アイツの気を引きたいんなら、アイツが惚れるような男になればいいだけの話だろ」
「……っ、うるせぇな! なれるわけねぇだろそんなの! アイツが心酔してんのはあの伝説の男だけだ。俺みたいなチンケなガキなんか眼中に無いに決まってる!! わかってるだよンな事は……っ」
「…………あ?」
激昂して捲し立てる亮雅の言葉に怜旺の片眉がピクリと動いた。
「へぇ? なに、椎堂のヤツ。”小さき百獣の王”に憧れてんのか。だから、あの髪型なんだな」
「アンタ、……知ってんのかよ」
「……まぁ、有名なんだろ? 通し名位は知ってるに決まってる。まさか今頃その名前を聞くなんて思ってもみなかったけどな」
ふっと自嘲気味に笑って、怜旺は掴んでいた髪を離すと、そのまま床に叩き付けた。
突然の行動にバランスを崩してよろめく亮雅の背中目がけて足を振り下ろし、亮雅の体がトイレのタイルの上に転げ落ちる。
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