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動揺 3
静かな室内に、衣擦れの音が響き渡る。
すぐ隣の教室で他の教師が授業をする声を聞きながら、怜旺は油断すると洩れそうになる嬌声を唇を噛みしめながら必死に堪えていた。
「ん……っく……」
シャツの下に潜り込んで来た手が胸の飾りを撫でて来てビクンと体が跳ねる。怜旺の反応を楽しむかのように何度もそこばかり攻め立てられると、腰の奥がズクズクと疼いて堪らない気分になる。
「くそ……、そこばっか、やめっ」
何時もならこんな触り方はしないのに、今日に限って執拗に乳首を弄られて怜旺の体はすっかり熱を帯びてしまっていた。
指先で弾かれたり摘ままれるたびに、もっと強い刺激を求めて体の奥が切なく戦慄いているようで苦しい。
「……んぅ……っは、ぁ」
はぁっと堪らず熱い吐息を漏らすと、耳元でクスリと笑う気配を感じた。
「えっろい声、洩れてんぞセンセ。乳首、弱いんだな」
「っ、うるせぇ……っ」
背後から怜旺の身体を拘束し、意地の悪い声が耳朶を食みながら息を吹き込むように囁きかけて来る。
羞恥心を煽るようなその言葉にカッとなって言い返そうとするも、それよりも早く圭斗の長い指先が器用にベルトの金具を外し、ズボンの前を寛げると下着の中に手を突っ込んできた。
既に硬く張りつめてしまっているそこは先端から溢れた蜜でぐしょ濡れになっていて、触れられただけでジンと痺れてどうしようもない気持ちになってしまう。
「や……っやめ……っ」
「おいおい、乳首弄られただけでこんなんなってんの? ほんっといやらしいな。すぐ隣で授業やってんのに感じまくって、澄ました顔してるくせに中身は淫乱だな」
「だ、黙れ! これは、お前が……っ」
「声出していいのか? 怪しまれんぞ。それともみんなに見られたくてわざとやってんのか?」
耳元で囁きながら、圭斗が微かに笑う。残酷なその声に怜旺は真っ赤になりながらきつい視線を後ろに向けた。
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