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男の約束 2
「椎堂に動画で脅されていると言うのは本当なのか?」
「フハッ、いきなりぶっこんで来るね、先生。……まぁ、だいたい合ってるよ。撮影してたのは圭ちゃんじゃなくて、八神君だったけど。動画を持ってるのは圭ちゃんだし」
自嘲気味に笑いながら、少し寂しそうに目を伏せる。
「なんでそんな事になったのか、聞いてもいいか? お前と椎堂は幼馴染だったんだろう?」
怜旺の言葉に、央は一度唇を噛むようにして俯き、数秒の間何かを思案しているようだったが、やがてゆっくりと口を開いた。
「……俺がいけないんだ。圭ちゃんが凄く大事にしてたブレスレットをうっかり踏んでバラバラに壊したから」
「ブレスレット?」
央の口から飛び出して来た意外な単語に、怜旺は首を傾げた。それが一体何だというのだろうか? 大切な物を破損したからと言って、動画を撮影して脅すというのは些か常軌を逸している気がする。
「圭ちゃんがめちゃくちゃリスペクトしてる人に貰ったんだって。それ、圭ちゃんの宝物で……。それで、物凄く怒っちゃって……。だから、俺、必死に謝ったんだけど……許して貰えなくて」
「それで、ヤられたのか」
「えっ? や、ヤられてなんかないよ! 圭ちゃん女の子にしか興味ないし! そうじゃなくて……、その……変な玩具を……挿れられて」
顔を真っ赤にしながら、央は消え入りそうな声で答えた。 アイツが女性にしか興味が持てない? そんな馬鹿なとツッコミを入れそうになったが、喉元まで出掛かった言葉はグッと呑み込んでおく。
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